Greenville, MS

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 18.2015 Mississippi
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ここは州境を越してアーカンソー。広大なるミシシッピリバーの夕暮れ時。

The Mississippi River will always have its own way;
no engineering skill can persuade it to do otherwise...
     by Mark Twain


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さて、ミシシッピに戻ります。
今日は旅日記最終回。最終回の町はグリーンヴィル。日本人来ないでしょうねー、こんなとこ。
ちょっと用事があって来たんですが。カジノ以外別になにもない、小さな町でした。

そんな小さな町にあった、気になる店。レトロ感満載。
ここで朝食をとることに。


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期待を裏切らない店内。
こういう店、昔のNYの8番街あたりによくありました。イタリア系のファミリーが経営してるの(この店は違います)。
私にとって、ノスタルジックな場所。



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赤白チェックのテーブルクロスに、壁に所狭しとかかった古ぼけた額縁。


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週末の朝はゆっくりと。



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普通に、アメリカンなブレックファスト。
グリッツ(奥のお皿に入った黄色いもの)がでてくるところが南部です。


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さてこの日、ミシシッピマラソンが行われているとかで、このグリーンビルがゴールの町。
マラソンって朝早くスタートするから、一般人がのーんびりと朝食食べたり新聞読んだりしている週末の朝(決して一般人も寝坊してるわけじゃありません)、あっという間にランナーたちはゴールに帰ってくるわけですよ。
お腹いっぱいスクランブルエッグやグリッツ食べてる場合じゃないんですよ。ランナーたちはすでに「一仕事」して汗流して帰ってくるんだもん。
その「一仕事」って、42.195kmですからねー。異常ですよ、彼らは(笑)。
この店の前がフィニッシュラインになっていて、外がなんだか賑やかになってきたので私もトップランナーたちを応援しに外に出る。



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ピューンとやって来ましたよ。一位の選手。ケニア出身だとか。
遠くから見ると「細っ!」ってな体だけど、写真でよく見ると足、筋肉がすごい。
当たり前ですが、細いだけじゃ走れませんよね。



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この赤毛の男の子も(高校生だよね)、トップ3くらいじゃなかったかな。
「え?アナタ本当に42km走ってきたの?」というくらいに、軽やかな走りっぷり。



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そんなランナーたちに朝の元気をもらった後、グリーンヴィルを散策。

だけど本当にこの町なにもない。のーんびりしてます、全体に。



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のーんびりしてる割には、住宅街の中で立て続けに2度もポリスカーがサイレン鳴らして走るのを見た。
一つは通行止に。通行止になるのは結構シリアスです。


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裏へ裏へと足を運びたくなる私ですが、ウロウロするのは昼間だけに。



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治安の悪そうな住宅街の中にあるこの店。Doe's Eat Place。
この店のこと、ミシシッピに来る前に調べて見つけていた。
「ローカルの人と一緒に食べるアメリカのトップ10の店」の中に入っている。

シグナさんという白人ファミリーが経営しているのだが、家族が1903年に雑貨屋としてオープンした家が今はレストランになっている。レストランになったのは1941年というから、それでもすごい歴史。

1941年という時代。南部では黒人と白人は社会的に隔離されていた時代。
この店は黒人専門にオープンされて、白人は入れなかった。バッファローフィッシュとかチリを提供する店だったらしい。
ある日、ローカルの白人医師が開店以外の時間に食事に寄るようになり、彼に店の裏でステーキを提供するようになった。
隔離政策って、ホント滑稽。。。。って、今だから思うことなのかもしれないけれど。

このレストラン、なんとドアを開けるといきなりキッチン。キッチンを通って客席に案内される。
いかにもファミリー経営だなあ、という雰囲気。キッチンではおばちゃんたちがサラダ作っていたり、お会計していたり。



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店内、傾いたテーブルに傾いたカウンター。床がそもそも平らじゃないし。
すごいです、いろんな意味で。
黒人専門の店だったとは思えないほど、客は白人ばかり。

注文取りに来たおばちゃんウェイトレスの英語が南部訛りひどくて分からないし。メニューはないんです。だからおばちゃんがメニューを口頭で説明してくれるんだけど、「は?」みたいな。
この方の英語がミシシッピ滞在中一番わかりませんでした。


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最後にまたホットタマレス。
この店はステーキハウスなのでステーキも注文したのだけれど、これがすっごく美味しくて!
分厚いのだけれど柔らかいお肉、とてもジューシー。
で、ステーキのお値段は、この店の雰囲気とは比例せず、結構いいお値段だった(笑)。
ま、そりゃねー。美味しい肉だもん。そうだよねー。
しかし片田舎の小さな町に、こんな素敵な店があるなんていいじゃない!

ということで、ミシシッピ旅日記、個性的な店のステーキの話で終わりとなります。

そうそう、それからもう一つあったんだわ。この旅。
シカゴに帰る日、メンフィス空港までレンタカーを運転し北上。
この日急にすごく寒くなり、ハイウェイ脇のコットンフィールドが氷で真っ白。木々も真っ白。雪じゃなくて氷なんです。
コットンフィールドの凍りついた景色なんて、それは見られるもんじゃない。。。。なんて感動しながら走っていたら、携帯に航空会社からメッセージが。。。。いやな予感。。。。はい、搭乗予定のフライトがキャンセル。がーん。
とりあえず空港に向かおうと車走らせる。他の便で帰れるかもしれないし!!(この時まだ希望を持っていた。希望を持つってステキ)。
私はシカゴで雪道運転し慣れているのだけれど、南部人って極度に怖がるものだから、みなノロノロ運転。イライラ〜っ!でも除雪されていないハイウェイで追い越し続けて事故を起こしたらいけないと、冷静に戻る(えらい!大人の行動)。人生、急いじゃいけないよ。
空港に着いたけど、空港が凍りついていてほとんどのフライトキャンセルで明日の早朝しかないらしい。
仕方なく、メンフィス空港近くのホテルに一泊。
ところが、このホテルの周囲にレストランなんてない。ファストフード店さえ遠い。。。。
食べ物探しに外に出たけれど、歩道がツルッツルに凍っている。
このとき思いました。シカゴの除雪作業の素晴らしさを。道路も歩道も、あっという間に雪溶かしますもの。生活に支障出ませんもの。
メンフィスのツルツル歩道を歩きながら、近くのガソリンスタンドで食料を買う。
ここで買ったサンドイッチ、人生最悪のチキンサラダサンドイッチでした。夜中に吐かないでよかった。

教訓: アメリカのガソリンスタンドで絶対に食べ物を買わないこと。そこしかチョイスがないサバイバル状態の時は、サンドイッチはやめてポテトチップにしましょう。その方がマシ。

翌朝朝3時半起きで、アトランタ乗り継ぎでシカゴに無事戻ってきましたよ!飛行機の窓から見下ろすシカゴの街。雪で一面真っ白なのに、道路という道路は住宅街の小さな道まで、除雪で雪のかけらもない。感動しました。市民の税金使って融雪剤たくさん用意しているだけのことあります。

いろいろ学んだミシシッピの旅。
お付き合いくださってありがとうございます♪



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Shack Up Inn / Clarksdale

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 17.2015 Mississippi
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綿花!これぞミシシッピの光景。
この綿花の種がハイウェイ61にまで飛んできていて、道路脇の土に白い花を咲かせてるのだ。すごくかわいい。



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さて今日は再びクラークスデールなのですが、ここにシャックアップインというユニークな宿泊施設があるので寄った。
今回は泊まれなかったのだけど、見るだけでも楽しいところ。

いきなりレトロな消防車とかが置いてあるし。もう垂涎モノ。



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宿泊施設は、こんなみすぼらしい(笑)小屋がいっぱいコテージになっている。
外見みすぼらしいけれど、中はきちんと改装されています。

シェアクロッパーの古い住宅を改装して作ったモーテル。
シェアクロッパーとは小作農民のこと。南北戦争後、奴隷制度が終わって黒人奴隷たちは解放されたけれども、なんの生活手段も持たなかった人がほとんど。
一方、労働力を一切失ってしまった大農園のプランター側も困る。
そこで、地主側が黒人クロッパーに住居や耕地,種子,農具,家畜などの農耕必需品を提供し、クロッパー側は彼と家族の労働力で耕作を引き受け、収穫の一部を地主に払うという分益小作制ができあがった。

一見奴隷小屋となんら変わらない外見の小屋だけれど、労働者はもう主人の「モノ」ではない、という事実は大きく違う点。


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シャックとシャックの間を散策するのも楽し。



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「小物」の演出が、適度に気を抜いてなされていていい。
サビ加減とかね、ミシシッピはそのまま外に放っておけば錆びるし苔も生えますから(笑)。


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ジャンクヤードに捨てられた車も、ここではオブジェに。



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ブルースフェスティバル開催中は予約でいっぱいというこの宿泊施設も、この時期ガラガラ。
工事(修復?)しているお兄さん達しかいなかったような。。。。



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このボトルツリー、南部でよく見る。
ルイジアナでも、テネシーでも、テキサスでも、そしてミシシッピでも。綺麗。



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トタン板、自転車、錆びた看板、錆びたビンテージ車、だるまストーブ、ミルク缶、馬車の車輪。。。。と、大好物な物体がいくつもあって大興奮。


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ミシシッピ旅日記もそろそろ終盤。
次回が最終です。あと一回付き合ってね〜。


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インディアノーラ/ミシシッピ

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 16.2015 Mississippi
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ミシシッピデルタ地帯。沼地が多い。

Muddy water 'round my feet
Muddy water in the street
Just God don't shelter
Down on the delta
Muddy water in my shoes

"A Mississippi Moan" by Muddy Water



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この日はインディアノーラという小さな町へ。
ブルースマン、アルバート・キングが生まれた町でもあり、レジェンドB.B.キングが幼少時に育った場所でもあり。

そんで最初になんでドラム缶の写真?
すみません。。。ブルースに関係なくとも、好きな物には足が止まる。ご存知の方も多いと思いますが(笑)、私の写真には結構ドラム缶が出てきます。ドラム缶フェチでもあります(一体いくつフェチを持ってるねん)。
こんな小さな町で、大好きなドラム缶に会えたんですよ!
ドラム缶ってね。。。味のない場所じゃないと(いろんな意味で)、こう普通に出くわさないものなんです。NYの五番街とか東京表参道なんて歩いたって、道端でドラム缶に会えないですから。
東京でも、そんなドラム缶にお目にかかるような場所ばかり撮影してましたっけ。


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話はブルースへ。
ここはクラブエボニー。歴史ある、黒人専用のナイトクラブだったところ。
第二次世界大戦直後にオーブンというから、70年の歴史。

BBキングはたまにここで演奏するらしいんですが、こんなところで聴いてみたいものです。感激して卒倒すること間違い無し。



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この小さな町のチャーチストリートという通りには、ブルースクラブやカフェがたくさん集まっている。
ここはコージーコーナーカフェ。



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すごくビミョーな壁画(爆)。
名前書いてもらわないと、誰の顔かわからないよ。

前から思ってることなんだが、黒人で絵の才能がある人って少ない。味のある絵を描く画家はたまにいるけど。
音楽の才能がある人は山ほどいるし、音楽できなくても少なくとも聞く耳は持っている人がほとんどだ。
五感のうち聴覚への才能が飛び抜けているからなのか、視覚の才能がなさすぎ(笑)。
どこでも黒人街の壁画ってビミョーだもんなあ。黒人の家に遊びに行くと、素晴らしいレコードコレクションでスピーカーに多額かけてる人たちの部屋にかかっている絵が、ターゲット(アメリカのスーパーマーケット)で買ってきたようなテキトーな安っぽい額縁だったりする。
すっごいオシャレなソファやテーブル揃えてるのに、その絵はないでしょー!みたいな。
そんな絵を毎日見てなんとも思わない(私は趣味の悪い絵は耐えられない)なんて信じられない、と思う。

天は二物を与えずとはよく言ったもの。
黒人は音楽の才能を神から与えられすぎてるのよね。
そこまで耳が肥えてると、目は越えないと思います、はい(笑)



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ホワイトローズカフェ。


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あ、またビミョーな絵が。。。www
オーナーもこれでいいと思ってるし、客もなんとも思わないんだろーね。。。

日本の知人に壁画家の女性がいるが、彼女は渋谷パルコとかの有名壁画を手がけてきた。
彼女の作品写真を見せてもらったことがあるが、とあるクラブの壁一面に描いたボブ・マーレーなんてすごく上手くてビックリした。
彼らは、小さな写真(元絵)を手にしながら、壁にその何十倍の大きさのものをどんどん描き上げていっちゃう、芸術的に。

黒人が黒人の絵を上手に描けないんだもんね。。。。遠く東の日本人が、芸術的な黒人の絵を東京の街じゅうに描いてることを知ったら、きっと逆にビックリするだろう。



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下手絵、クセになる(笑)



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これ、BBキングなんだろうね(笑)
かなり頑張ってる方だと思います。

インディアノーラには立派なBBキング博物館がある。
BBキングのことだけでなく、デルタのことも勉強できる。じっくり、ミシシッピの文化に触れるのもいい。

音楽だけでなく、ミシシッピの香は小説からも。
ピューリッツァー賞受賞の女流作家ユードラ・ウェルティの「デルタの結婚式」という、日本でも翻訳されている本より。

"The land was perfectly flat and level but it shimmered like the wing of a lighted dragonfly.
It seemed strummed, as though it were an instrument and something had touched it"

from "Delta Wedding" by Eudora Welty



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BBキング博物館の前にある、The Blue Biscuitsというレストランで腹ごしらえ。


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手前のお皿は、コールスローにビーンズがついた、Pulled Pork Sandwich.
「Pulled Pork」というディッシュ、ミシシッピではよく目にした。豚肉の硬い肉を、時間をかけてゆっくり調理し、柔らかくしたお肉料理なんだけど、「pulled」というのは「引っ張ってお肉がすぐはがれるほど柔らかい」という意味らしい。
炭火で焼いたお肉は香ばしくて美味しかった。

左上のお皿は、南部ルイジアナ発祥のシュリンプ・ポーボーイサンドイッチ。
私も以前こちらのブログで作ったことあり。詳しく知りたい方はこちらで。



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ここはインディアノーラから西に2〜30分いったところにあるLelandという、さらにちっちゃな町。
色は綺麗なんだけど、またビミョーな壁画が(笑)。
こういう絵にでくわすたび、才能というものを考えさせられる。やっぱりないものはないんだね(笑)。
だから逆に、生まれながらに持っている才能ってすごいわけで。
才能ない人が努力して作った物と、才能ある人が力入れずに作った物、人が感動して価値を見いだすのは後者。厳しいけれどアートとはそういうもの。
BBキングのギターとか歌とか、努力の前にまず才能。努力も大切だけど、努力の前にあるもの、これに気づいて伸ばすこと、一番大事。

♪Some will win, some will lose
Some were born to sing the blues.....♪

"Don't stop beleiven" by Journey



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ミシシッピのジュークジョイント

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 15.2015 Mississippi
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今回のミシシッピの旅で一番来たかったところはここ。
Po' Monkey's Loungeという名のジューク・ジョイント

ジュークジョイントとは、かつて南部アメリカで、綿畑で働く黒人労働者たちが過酷の労働の後、仲間と集まり飲んだり歌ったり踊ったりした場所のこと。
コットンフィールドの中にあり(彼らは車を持っているわけではないので、街中にあるわけない)、粗末な掘っ建て小屋が多い。

時代の移り変わりでジュークジョイントも姿を消し、取り壊され。。。。そんな中、まだオリジナルのジュークジョイントがあるという。
この場所を知ってから、気になってしょうがなかったポーモンキー。メンフィス空港降り立った時から、頭の中にはここしか入ってなかったかもしれない。



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この場所を探すのはちょっと大変だった。だって、住所がないんだもん。
ウィキに載っているような場所なのに、看板あるわけじゃないし(そこがいいが)。

このポーモンキー、今でも現役なのだが、なんと週に一回木曜日しか開いてないらしい。
メンフィスに降り立ったのは木曜日。初日に絶対に行かなきゃいけない。
開店は夜の8時半らしいが、いきなり夜道のコットンフィールドの中、こんなちっぽけな場所を探し当てる自信はない。。。。ってことで、まだ陽の落ちる前の夕刻時に下調べ。
これが大正解だった。日があるうちでも迷ったもの。だだっ広いコットンフィールドの中にポツンとあるのだ。感動です。
でも農道にはもちろん外灯なんてない。地元の住民(農民)しか走らないから。そんな中、夜いきなり来てこの場所を探し当てるのは、難しかったと思う。

しびれちゃいますよ、この小屋。私、小屋フェチなんで。
1961年にオープン。南部に残る、最後のオリジナルのジュークジョイント。
風が吹いたら飛びそうな、飛び火でもしたらすぐに燃えちゃいそうなこの小屋。いまだに形を変えずにここに建っていることだけでも奇跡。いまでも現役なんて奇跡。



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この手書きサイン!手書きサインフェチでもあります。
10年ほど前までは、まだシカゴの街にも残っていた手書きサイン。最近サウスサイド行かないとないですねー。。。。
一応「ドレスコード」がありまして。お尻出すまでパンツ下げて入るべからず。味がありすぎ(ぷ)。



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店の外の写真を撮っていたら、中からひょっこり出てきた男性。
あれまあ、ポーモンキーのオーナーのWilliam Seaberryおじさんじゃありませんか!!
人懐っこい顔で話しかけてくれまして、「中も見る?」と言って中にも入れてくださいました。

店内は、日本のさびれた漁村の酒場か?あるいは、東京は葛飾のディープな飲屋街立石の酒場にも劣らない、すごい場末の空気が漂っておりました(とてもいい意味で)。

ウィリアムさん、74歳。ここに住んでおられます。54年間も。
74歳だと、毎日開店するのもしんどいでしょう。週1開店は分かる。
「今日、オープンしてますよね?夜になったらまた来ますから!」と言って彼に一旦バイバイ。

「あ、ウィリアムさん、ウィリアムって呼べばいいですか? それともウィル?ウィリー?ビル?ビリー?」と聞いたら、「なんでもいいよ」と言われました(笑)。



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その日の夜、また戻ってきました。
外に裸電球一つ。 こんなんじゃ、夜道走っても見つからないよーっ!!
夕方下見で来たはずなのだけど、ハイウェイからの曲がり道が分からなくなった。ハイウェイといっても61号線は大都会のハイウェイと違い、コットンフィールドの中はなにも目指すサインがない。信号もない。
え?ここだっけ?という不安な気持ちで農道に入り、真っ暗な道を運転し(夜というのは、昼間に比べると距離が長く感じる)、再びポーモンキー。
さっきは車なんてなにもなかったのに、結構店の周りに車が停まっている。



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店内には怪しい灯が。開店同時くらいだったのに、既に地元の馴染み客といった人たちで賑わっている。
ウィリアムおじさんが出てきて、彼の友達に紹介してくれたり。



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ここはビールしか販売しておらず、食べ物はみな持ち込み。
大テーブルでは黒人女性たちがフライドチキン食べている。あ、この光景はシカゴと変わらない(笑)。

別のテーブルに、私と同じくらい浮いている(いかにも外部者といった風な)、年配白人カップルが。
彼らの横に座って聞くと、彼らはアトランタから来ていて、南部を旅行しているらしい。
彼らも、ポーモンキーの場所を日中下見に来たとか(笑)。そうだよねー、ここ、いきなり一発で夜は来れないですよねー。グーグルマップというテクノロジーも、ハッキリした住所や番号がないと難しいっすよ。


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。。。。。ところで、いつまで経ってもブルースのバンドが来ない。
もしかして、ずっとDJのみ? 聞いたらそうらしいのね。今はバンド演奏なしの、DJナイトなんだって。
それは残念です。こういう小屋で、生のバンド聴きたかった。ときどきイベントでやるんだろうけれど。ま、それは仕方ない。
こんな周りに何もない田舎のジュークジョイントに、「いい」バンドが週一回来ておまんま食えるというわけにはいかないだろうから。もったいないけど。



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その晩はクリーブランドという町に泊まり、翌朝Dockery Plantationへ。
ドッカリー・プランテーションは綿花農園兼製材場。
チャーリー・パットン、ハウリン・ウルフ、ロバート・ジョンソン。。。。伝説のブルースミュージシャンが働き、住んでいた場所でもあり、ブルース誕生の地として有名。
今では歴史的建造物が残されている。



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ミシシッピ旅日記、次回へ続く。。。



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クラークスデール

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 14.2015 Mississippi
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ブルースの聖地、クラークスデール。多くのブルースミュージシャンを生んだ町。
コットンベルトと呼ばれる綿花畑地帯の中心地。

ずっと風景の変わらないコットンフィールドを眺めながら運転し、クラークスデールに到着。
メンフィスから、どこにも寄らずに直行で車で1時間半くらい。



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クラークスデールといえば、まずこの有名なモニュメント。ハイウェイ49号線と61号線が交わる交差点。
この十字路伝説。
伝説のブルースミュージシャン、ロバート・ジョンソンは、神業とも言われるギターテクニックを得るために、この十字路で悪魔と契約を交わし、己の魂を売ったのだとか。
やがて彼は名ギタリストとして成功を収めるが、交わした契約通り命を奪われることになり。。。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」(アメリカの音楽雑誌。[The 100 Greatest Guitarists of All Time] )に必ず名が挙げられるギタリストでございます。

時代が時代だけに、ロバート・ジョンソンの写真はほとんど無いのだけれど、あまりに有名な写真がある。
スーツに帽子をかぶり、足を組んでギターを持っている写真。それと帽子なしで口で咥えタバコをしている写真。
肖像のインパクト。現代では、有名ミュージシャンが数枚だけの写真を世に残すことなんて無理だけれど、100年以上経った今も、「ロバート・ジョンソンといえばこれ」と世界中の誰もが同じ姿を頭に浮かべるっていうのもカッコイイ話。



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1944年から、地元の下宿屋/低料金宿泊施設として経営されているリバーサイドホテル。
かつては黒人専用の病院だった。ブルース歌手の草分け的存在であったベッシー・スミスは、1937年にハイウェイ61での自動車事故の後、この病院で亡くなった。
今でも多くの偉大なブルースミュージシャンたちは、ブルースフェスティバル開催中はここに宿泊するとか。



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リバーサイドホテル周辺の住宅。
廃屋?と一瞬思うような半倒壊の家もあるのだが、現役。



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ブルースの町クラークスデールには、ブルースクラブもいろいろあり。
ここはレッズラウンジというローカルなジュークジョイント。


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クラークスデールのダウンタウンから少し離れたところにあり、この小汚さがデルタのジュークジョイントらしくていい。



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ダウンタウン、といってもすごく小さいのだが、昼間は人がいない。。。。閑散。
元々人口が少ないけれど、それにしても。
一応店とかやってるのだけれど、こんなんで商売になるのか?と余計な心配をしたくなる。



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窓辺に並んでる絵。
一番左は、モーガン・フリーマン?っぽい。
モーガン・フリーマンはメンフィス生まれで、ミシシッピで育った南部人。
ここクラークスデールにも彼の店がある。


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というわけで、モーガン経営で有名な店(レストラン兼ブルースクラブ)、グラウンドゼロ。
それなりの雰囲気を出すためにあえて小汚くしてるけれど、本物のジュークジョイントの素朴さ小汚さと比べたら超ツーリスティックでオサレ。
昼間も空いているところってここくらいしかなく、ランチに入る。


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フライドキャットフィッシュ、フライドオクラ、コールスローにビスケットのランチ。
これにコーヒーとデザート(激甘)がついて$10以下。



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ミシシッピはブルースを生んだ町であるけれど、才能あるミュージシャン達はみなシカゴとか大都市に来てしまうよな、というのがよく分かる。
音楽できても、ここでは食っていけない、絶対に。お金払って音楽聴くという人は、この地元には少ないもの。
9割が海外や州外からのツーリストで埋まるシカゴのブルースクラブもなんだかな、と思ったりしていたけれど、ミシシッピを実際に見てみると、その事情がよーく分かるのであります。





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