インディアナのB&B(2)

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 30.2010 アーミッシュの村
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春に泊まったアーミッシュの村のB&Bで、一緒になった宿泊客カップルの奥さんは臨月の妊婦で大きなお腹を抱えていた。
5日ほどののんびり滞在らしいので、「のんびりした場所で胎教にいいですね」と言ったら、「子供が出来たらしばらくB&Bなんて縁が無くなるから」と言うのでその時気づいた。

考えた事も無かったが、B&Bというのは子供連れはダメなのである。
ウェブサイトにハッキリと「子供、ペットはご遠慮ください」と書いてある所もあるが、ほとんどの所は書いていない。
だけど、「子供はダメ」というのは暗黙の了解らしい。


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確かに、B&Bの部屋というのは、カップル向きでファミリー向きではない。
そして玄関を入った所から続く、オーナー夫婦のアンティークのコレクションや所狭しと飾られているディスプレイを見れば、「子供は無理だな」というのは一目瞭然。

陶器やガラスが、サイドテーブルの子供目線の高さにびっしり並べられているし、それを子供に「触るな」というのも無理な話。
階段にも人形や陶器が並べられていて、這い上がる子供が居たりしたらオーナーは悲鳴をあげるであろう。


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リビングやダイニングルームの家具も大人向けだし、レースのテーブルクロスやアンティークのソファも「丁寧に扱える人」じゃないと無理。
朝食に出て来る器もアンティークで凝っている所が多く、薄いデザートグラスやアンティークのティーカップを子供に出す訳にもいかない。

B&Bの朝食の時間は決まっていて、宿泊客全員がダイニングテーブルに揃い、話しながら食べる。
全員といっても、全室埋まっても10人とかなんだけど。
確かに今までカップルしか会った事が無い。一人旅をする私であるが、やはりここに1人だけだとかなり浮くだろうな、と思う。


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今回はなんと、宿泊客は我々夫婦2人のみ。
だからとても静かで、本当にのんびり出来た。

ダイニングやリビングルームを我が家のように自由に使ったし、ポーチで温かい紅茶を飲みながら、前を過ぎ行くアーミッシュの馬車を眺めたり。

そういえば、ここのB&Bのダイニングには、壁の細い出っ張りの所に、ずらりとアンティークのティーカップを並べていたが、地震のある日本だったら無理なディスプレイである。。。。と、日本人の私は真っ先に思った。
夫に言ったら「え? なんで??」と全然分かっていない。地震を経験した事がない者は、地面や壁が揺れる感覚を知らないのだ。
こんな所にカップ並べていたら、震度3でもすぐに落ちてしまうよ。。。。


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話は戻るが、子連れの旅行となると、やはりホテルやモーテルになるのだろう。
ホテルはB&Bと違って壁も厚いし、隣室の音も聞こえたりしない。
B&Bは普通の一軒屋だし、100年以上も前の昔の家なので、特に音は聞こえる。しかしさすがに、うるさい宿泊客には出会った事が無い。

オーナーに聞いたら、賑やかな宿泊客たちは居るのだが、彼らは毎年全室借り切ってグループで来るのだとか。
1週間くらい泊まって、毎日パーティだとか。親戚や友人同士らで、そういう楽しみ方もいいな。

欧米というのは、大人のスペース(&時間)と、子供のそれとの境がきちんとしていて、社会の暗黙の了解となっている所が多い。
例えばクラシックやオペラコンサートに子供はダメとか、子供は連れて行けない店とかレストランとか。いちいち断り書きがしてなくても、「常識」となって通用しているところがある。
それが日本には無い。
日本だけでないけれど、欧米以外の国ではその境が緩いのだと思う。
だから、観光客とかがそういう暗黙のルールを破り、地元の人たちに迷惑をかけてしまう事が大いにある。

NYのとある美術館の入り口に「12歳以下の子供のご入場お断り」とハッキリ書いてあった。
海外からの観光客が増える前は、こんな断り書きなんて必要なかったに違いない。
書きたくなくても、ルールを知らない人が増えれば、いちいちカフェやレストランのウェブサイトにも載せないといけなくなる。それはスマートではないけれど。

「子供が出来るともう泊まれなくなるから」と、最後の臨月の日々を、静かなB&Bでゆっくり過ごした若いカップル。
素敵だな、と思った。


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