「ザ・ルーツ」撮影の最後の一枚

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 28.2017 音楽・ミュージシャン・ライブ撮影日記
The Roots
The Roots at Huntington Park Pavilion in Chicago  ザ・ルーツ


ミュージシャンの中でも、ロックコンサートの撮影は特別だ。
ロッカーは他のミュージシャンたちとなにが違うかと言うと、とにかく動き回る(中にはじーっとしたのもいるけれど稀)。
ボーカルも体全体使って歌うし走り回るし、ベースもギターも自由奔放だ。位置から外れないのはドラムくらいだ。
メンバーも一人を追うなら簡単だが、4人や5人の動き回る人たちをそれぞれに追いかけ、各々がパーフェクトにいい動きをしている瞬間を同時に収めることの至難の技。
ボーカルは完璧だがギターがぶれているとか、ベースが下を向いちゃった、とか、なかなかベストを出すのは大変だ。

ロッカーたちの動きは全く読めない。撮影前にYoutubeで彼らのライブ光景を予習はしていくが、いくら同じ歌でも同じ動きをするわけでないし、ステージもライトも毎回違う。行って見なきゃわからない。でも、ボーカルの魅力はこことか、カッコ良く見える角度とか、事前に調査しておくに越したことはない、なぜなら、現在のロックコンサートの撮影には時間制限があるから(後述)。
毎回なにが起こるかわからないから楽しいんだけど。このロック撮影の楽しさは、ジャズやブルースにはない。ロック撮影の楽しさは、大変さ、忙しさでもある。終わるとヘトヘトになる。

夏に撮影したザ・ルーツ。屋外のパビリオン。このバンド撮影は2回目だ。
大物バンドたちはほとんどなのだが、フォトグラファーの撮影許可は最初の3曲という制約がある。
1曲5分として、たったの15分。多くて15分しか撮影時間を与えられない。人気バンドだと数十人のフォトグラファーたちがピットに集まるので場所取りも大変だ。お互いにぶつかってカメラを壊さないように、逞しさと同時に落ち着きも必要だ。

全てのミュージシャンに言えるが、いい動きや表情をするのは3曲め以降だ。特にロッカーたちは、最初の3曲なんてウォーミングアップで、跳ねたり飛んだりが多くなるのは中盤から終盤。これを撮れないのは非常に残念。。。。だが、全てのフォトグラファーに対して公平なのだから仕方ない。

この日、私は賭けてみた。
フォトピットに入ると、3曲が終わるとセキュリティからフォトグラファーは追い出される。ピットを出たら、大混雑の観客の間にカメラを持って再びわけ入っていくのは無理である。だから、フォトグラファーたちは普通、3曲撮影するとすぐ帰る。すぐ編集しなきゃならないし、忙しいフォトグラファーはコンサートも掛け持ちなので、次の会場に向かったりする。
私はこの日、フォトピットに入らず、フェンスの外の一番前にカメラを持って、観客たちと並んだ。両隣後ろと人混みで押されているので、ピットのように動くことはできないし、一箇所から撮るしかない。だが、狭いピットなのでフェンスの後ろからでも私のレンズで十分撮れる。

これが大正解だった。3曲終わってピットから出て行くフォトグラファーたちを見送り、私はフェンス後ろから動かず。
バンドメンバーたちは、ここから激しい動きを繰り返す。
皮肉なことに、ピットのフォトグラファーたちよりも、私の方がずっといいいのが撮れた。3曲撮影制限のバカバカしさを物語る。

そして最後の曲。
ギターのキャプテンカークダグラスが、ドラムのいる高い台に乗った。
わ、うそ、次は飛び降りるぞ!!シャッターチャンスがやってくる、胸がドキドキする。。。
その間も撮り続けていると、シャッター押せなくなった。なんと!メモリーカードがフルに!!(悲劇)。
新しいカードを入れ替えている暇はない。私は急いで撮影済みの1枚の画像をなんでもいいからテキトーに消し、そしてこの最後の1枚を慌てて撮った。
宙に浮くキャプテンカークダグラス。 撮れた時は胸をなでおろした。

人に押されて動きにくかったけれど、ピットに入らずよかったー、と思えた夜であった。

ちなみに、小さめのベニュー(ライブハウス)で行われるライブは撮影制限はほとんどない。
例外を除き、だいたいフルショー撮影可。
撮影制限がないと結局1時間や1時間半のショー全部、あるいは2セット居座ったりして、これも結構疲れるのである。
激しいロックの3曲オンリー超集中のフォトグラファーたちが争う戦場ピットでエネルギー使うのと、時々休み入れながら1時間半撮り続けるのと、まあどっちも同じような疲れになるのである、結局は(笑)


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