印刷物

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 21.2011 「ブラック・カルチャー観察日記」出版・執筆日記
r01.jpg


電子書籍の時代になる、本は電子に移動する。。。。なんて日本の出版界も数年前から不安定な状態に。
確かに、電子書籍は印刷コストもかからず、時間も途中経過に発生する人件費も短縮でき、安い単価の本が出来上がる。読者の財布にもやさしい。

がしかし、電子と印刷物ではきっぱりと読者層も分かれるだろうし、本にする内容によっても分かれるだろう。
電子に向くもの、紙に向くもの。。。。そこら辺が二分化されていくのだと思う。

ブラックカルチャーの本を書籍化するにあたって、いくつかの出版社の何人もの編集者と話したが、誰も「電子書籍」の事を言わなかった。
どの出版社も、いまや電子書籍部門を設けている。だけど、電子の「で」も出なかった。

当然のように印刷物の書籍の話で話題をし、会った編集者の人たちは皆「やっぱり個人的には紙の本が好きなんですよね」と言っていた。「いい物は印刷物で残すべき」と。

例えば、一旦書籍として発行されたものは、時間が経ってから「電子化」されることもあるであろう。
だけど、電子書籍として作られた物が、その後印刷物として世に出る事の確率は少ない。よほど売れたりしない限りは。

今や紙の本と電子書籍の狭間の時代であるが、せっかくまだ紙が生き残っている時代ならば、本の形で出したい。
10年後になったら、状況はどういう風になっているか分からない。電子書籍しか生き残れなくなっているのかもしれない。
だったらなおさらに今、印刷物を残しておきたい。

出版会社だけでなく、装丁デザイナーやイラストレーターや印刷会社や製本会社や取次やら、他分野多方面の色々な専門家たちのおかげで1冊の本が作られる、その過程を享受したい。
デジタルに比べると非常にアナログなこの過程。
だけど、いつの日が無くなってしまう(あるいは極端に減ってしまう)のならば、今のうちに体験しておきたい。

「本が並ぶ」。。。ってステキな事で、ステキな表現。
電子書籍は「並ばない」もの。
並ぶ本の重みは、電子書籍の時代に移行しつつある時だから余計に感じるのだ。

コストがかかる印刷物の書籍というのは、リスクも大きい。
売れなかったら、そのまま在庫で残ってしまう。出版社は赤字である。
リスクを負いたくない場合は、どうしても電子になってしまう。

それだけに、どこも「電子書籍」の話をしなかったのは意外や意外だったのだ。
意外と根強く、印刷物は残っていくのかも。。。とも思った。
紙の本で育ち、紙の本が大好きな若手編集者が残っている、最後の時代なのかもしれないが。

「とにかく印刷物の本で一度出版されれば、ずっと残るからね」とは本好きの友人の言葉。
絶版されたとしても、世に出た本は図書館やら古本やらに時代を超えて残る。
作家のその後の人生に関係なく、神保町のどこかの古本屋の片隅に、ひっそり生き残る事もあるであろう。。。。と想像すると、それはロマンでもある(笑)
スポンサーサイト