ユリア

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 10.2011 人いろいろ/人間
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小学校の時作文が得意で、よく小学校や市内の文集に選ばれて載っていた。

市全体の小学生の優秀な作文が載る文集で、毎年群を抜いて上手い子が居た。
別の小学校だが同じ学年の女の子。その子の作品は毎年毎年必ず選ばれていて、トップのページに文字も大きく「特別扱い」で載っていた(私のはいつも「普通扱いww」)

下の名前はユリア。
変わった名前だったのですぐ覚えた。あ。。。またこの子だと。。。

ユリアの作文は、子供が書いた文とは思えなかった。
今でも思うが、プロの女性エッセイストの文章にだって見える。
絶対これは「ゴーストライター」が居るに違いない(笑)と、子供心に思ったものだ。

3年生の時だったか。。。。ユリアの家の裏にあるという「雑木林」について書かれた詩があった。
「雑木林」を「ぞうきばやし」と読む事を知ったのは、彼女の文章からである。
彼女は文章の巧みさだけでなく、漢字の習得も数年先を行っていた。

毎年毎年文集に載る、謎の女(笑)ユリア。

なんと彼女と会う日がやって来る事になるとは。

高校入学して間もない頃、私のクラスのドアの入り口付近で、他の女の子と一緒にじーっとこっちを見ている女性が居た。
一目見て「ハーフ?」と思う程、彼女の目は薄茶色で色も白かった。

名前を聞くと「◯◯ユリア」
ええーっっっ!!!!  あのユリアが目の前にっ!!

小学生の頃、ユリアの文章に頭が下がっていた思いを告げると、「あー。。。。」と照れくさそうな顔をした。
目の前の美形の彼女が、あんな大人みたいな詩を書く少女だとは。。。。
別にガチガチの、メガネかけた文学少女をイメージしていたわけではないけれど、結構意外であった。

彼女いわく、ハーフみたいな顔で変な名前だけれど、ハーフじゃないとのこと。

ユリアは私に「可愛いねー」と言って来た。
自分の方がめちゃ可愛いくせに。
小学生の頃から雑木林の観察したり(笑)、大人びたディープな詩や作文を書く子が、「可愛い」という理由で人に寄って来る人だというのも意外であった。

そこで我々は友達になったのだが、彼女とはいつも遊びの話ばかりで、文章や本の話などしなかった。
彼女からそんな話を持ち出す事も無かった。

ある日の国語の時間。
芥川龍之介ファンの国語教師が、「蜘蛛の糸」の感想文のコピーを持って来た。
我々も書いたが、その中の優秀作品だ。

ずばり。配られた感想文は、他のクラスのユリアのものだった。
ここでもユリア。
小学生時代の彼女の感性は、堂々と健在だった。さらに磨きがかかっていた。

芥川好きの先生は、「蜘蛛の糸」以上にユリアの感想文に惚れているようだった。

一斉に皆で目を落として彼女の感想文を読む。
教室は静まり返り、重いため息が出たと思う。

難解な表現が連ねられるのだが、それには独特のリズムがある。
私の覚えている、文集の中のユリアのリズムだ。

ユリアの詩は小学生の頃から明るいことは無かったが、この感想文も「蜘蛛の糸」だけに重い。
感想文というよりも、ユリアの「エゴ」に関する文章だった。

こんなディープなおどろおどろしい感想文を書いたユリアは、また休憩の時間に私に会いに来てニコニコ笑っていた。
尊敬の意味で「恐ろしい女」とはこういう人の事を言うんだよな。。。。と、あの時に思ったものだ。
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