イチゴジュースの思ひ出

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 29.2011 人いろいろ/人間
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井上靖原作の「わが母の記」映画化されて、モントリオール映画祭で賞を取ったとか。
樹木希林が「母」らしい。井上靖を演じるのは役所広司らしい。

小学校の時、井上靖の孫と同級生だった。
4年生の時は、ずっと隣の席だったTちゃん。
子供の頃のわれわれにとっては、Tちゃんが「井上靖の孫」という感覚は全くなくて、「Tちゃんのおじいちゃんが井上靖」なのであった。
なんかすごい、有名な人らしい、と。

クラスには学級文庫というのが必ずあったが、そこには「しろばんば」とか「あすなろ物語」が並んでいた。
私が借りて読んだ覚えは。。。。。ない。Tちゃんが持って来てくれてたんだと思うけど。
ずっと後のことになってですよ。文豪井上靖のすごさを知ったのは。
Tちゃんのお母さん(井上靖の娘さん)も随筆を書く人だし、本に囲まれて育ったTちゃんがちょっと皆より大人っぽかったのは、その環境のせいもあるのであろうか。
彼女が文章が上手かった記憶はないのであるが、本はいつも読んでいた。

Tちゃんの誕生日会に招かれたとき。
あれは日曜日だったのだろうか。Tちゃんの背の高いお父さんがわれわれを公園に連れて行って遊んでくれた。
一緒にシーソーをしたことを覚えている。

Tちゃんちの庭に戻って遊んでいると、Tちゃんのお母さんが自家製のイチゴジュースを皆に持って来てくれた。
オレンジジュースやレモネードは一般的であったが、自家製イチゴジュースというのは当時お目にかかったことがなかった。
スムージーでもなく、ストロベリージュースでもなく、イチゴジュースという感じの甘酸っぱい飲み物だった。
イチゴの自然の甘さだけで、とっても美味しかった記憶がある。
「わが母の記」には、このイチゴジュースを作ってくれたTちゃんのお母さんも出て来る。娘として。

こうやって、家族の歴史を確かな文章で記録してくれる人が存在するってどういう気持ちなんだろう。
自分の祖父母や曾祖父母の歴史。
ルーツを知ることだけでなくて、祖父が若い時代にどんな風に思いどんな風に考えているかを知るってすごいこと。
年を重ねるにつれ、祖父が記した年齢を自分も超えていく。

文豪の娘や孫になってみないと気持ちは分からないが、ふとTちゃんどうしているだろう?と思った。
「おじいちゃん、とっても優しいよ」って、生前の井上靖氏のことを、そう言っていたっけ。

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