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BIUTIFUL

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 20.2011 映画&ドラマよもやま話
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「”BIUTIFUL”観ようよ」、と夫に言われ、ハビエル・バルデム主演の映画なら、きっと面白可笑しいコメディタッチのドラマに違いない、息抜きにはちょうどよい、などと勝手に思い込み、疲れた夜に2時間半観たのだった。


全然コメディじゃなかった。監督はアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥじゃん!
この監督の映画を観ると、必ず数日間考えさせられるわけで、知っていたらこの日に観なかったかもしれない。
でも、「コメディだ」と思い込んで観てある意味よかった。すごくよい映画だったから、疲れていても観てよかった(頭は休まらないが。。。)

懐かしいバルセロナの街が出て来る。
思いっきり、華やかな街の裏側を見せられる。

ヨーロッパの街のあちこちで、お目にかかるアフリカ人や中国人の違法労働者たちが沢山出て来る。
胸がつまる。
映画を観ていると、思い出すからだ。

ナポリの街に行った時、元々裕福だと言えない街の、最も貧しそうな居酒屋に、夜アフリカ人の物売りたちが肩を寄せて飲んでいた。
隣にはナポリっ子たちが集まる飲み屋があるのだが、そこはイタリアとアフリカの境界線がくっきりと引かれていた。

あれはブダペストの街だったっけ。
歩道を歩いていると、アフリカ人の露天業者たちが一斉に店をたたんんで逃げて行ったことがある。
あまりの速さにビックリした。彼らは、すぐに逃げられるようにテーブルも鞄も、数秒でしまえるようにしてある。
逃げる彼らの後を、警察官たちが追いかける。
きっと月に何度かある光景なのだろう、と思った。
違法労働者たちは、それでも生活のために外国に出る。
一生貧しいかもしれないけれど、それでもチャンスをつかむために外に出る。


中国の市場に行くと、ありとあらゆる物が売られている。
偽物ブランド商品に混じって、なんとホンモノも何割引かで売られている。
洋服に下着、靴にDVD。カシミヤのセーターやマフラー。
どれもこれも、日本やアメリカに渡れば10倍の値段は簡単につく物ばかり。

山積みにされたこれらの商品を見てふと思う。
工場でどれだけの人が身を粉にして働いているんだろう、と。
富を得るようになった中国だけど、富むようになったのはピラミッドの上のほんの一部の中国人だけだ。
田舎から都心に出て来た右も左も分からない中国人労働者が、血を吐きながら働いている。
彼らは一生、工場で働くかぎり大金なんて手にできない。そういう仕組みが出来上がっている。

偽物に混ざってホンモノの商品がマーケットに出回るのは、工場の従業員が外に流すからだ。
闇業者と手を結んでそういうことをしない限り、彼らにはまとまった金など手に出来ない。

「これは偽物のナイキね。でもこっちはホンモノだよ。見比べると分かるでしょー」
なんて、あっけらかんと中国の店の主人は商品を売る。
偽物を見ても、ホンモノを見ても、ここに商品が出回るまでの過程を考えると、ものすごいドラマがあるのだ。

中国に行くと疲れるのは、そういう事実が、一気に覆いかぶさって来るから。
毎日毎日、何千人、何万人の人と交差すると、その分だけのドラマが空気に流れているわけで、歩くだけで重たくのしかかってくる。


旅をすると、裏側から世界を見てしまうのだが、監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの描き方もそれで、私はずぶずぶとまさにはまってしまったのだった。
スペインの、一大観光都市バルセロナを舞台にしたのもいい。
サクラダファミリアがそびえる街の裏。
「バルセロナって美しいよね」と言われる街の影。

ハビエルの演技は秀逸で、私はまたファンになった。
スクリプトも素晴らしい。


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