読書@チャイナタウン

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 06.2011 エスニックタウン
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帰国したときに日本から持ってきた未読の本がまだある。
母が読んだ本もいくつかもらってきた。

その中の一冊。
イーユン・リーの「千年の祈り」


最初の短編を読んだときに、「これはチャイナタウンで読みたいなあ」と思った。

読む環境の雰囲気まで大切にしたくなる、そんな文章だったのだ。



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そして私は、雨の中チャリでチャイナタウンに向かう。

家から近いのだけれど、雨あしが強かったのでかなり濡れた。
タオルで髪の毛を拭きながら、チャイナタウンの「カフェ」に入る。

カフェといったって、ここはミニチャイナ。
エスプレッソマシーンが置いてあるようなカフェではない。

蒸し餃子を始めとする色んなスナック(?)とコーヒー(あるいはミルク紅茶。ミルクティーではない)がセットになって$2とか$3とか、一体どういう組み合わせだ?と思う中華式カフェのセットが揃う店である。


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チャイナタウンの午後は、学校に子どもを迎えに行った母親と娘がお茶をしていたりする。

男女の高校生グループは、団体デート(?)を楽しんでいる。

店の主人は、テレビの中国ドラマを観ている。

私の前のテーブルには学校帰りの中学生(1年生くらいか)のグループがカードで遊んでいる。
ゲームのカードなのかな。
彼らはカウンターでおばさんにスナックとドリンクを中国語でオーダーし、子どもたち同士ではミックス言語、時間が経つと全て英語で会話している。

そう、この東西ミックスな雰囲気。これがユーアン・リーの世界なのだ。


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北京生まれでアメリカで活躍するリーの短編は、どれも中国を舞台にしていてもどこかが西洋的な空気を持っていて、コテコテの中国人作家の世界でもなく、完全にアメリカで育った中国系アメリカ人の世界とも違う。

とても「新しい」中国人の目。
そして、アメリカで、シカゴで、私の周りにいる中国人(中国系ではない)の持っている空気をすごく感じられるのだ。

ああ、文学の世界でも、中国は確かに動いているんだよなあ。
こういう作家に出会えると、なんだかとても感慨深い。

私の元夫は大陸出身のチャイニーズで、彼も、彼の仲間たちも、いわゆる「新世代」中国人たちであった。
言葉通り、「未来」を築く有望戦士たちであり、彼らは本国だけではなく世界中に散らばる華僑たちから期待されているアメリカの星だった。

その「未来」は「現代」になり、当時誰もが想像すらし得なかった将来は現実になっている。
想像すらし得なかったのは、非中国人だけであり、彼らはちゃんと分かっていたのだ。
分かっているというよりも、信じて疑わなかった。中国の、中国人のパワーを。


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リーの本を読みながら、色んなことを思い出す。

やっぱりこの本は、チャイナタウンで読みたい。
そういえば、シカゴが舞台になっている短編もあって、なんだが逆トリップした気分になった。

中国とアメリカと。
この強烈な個性を持った二大大国が交差する場所は、彼女の小説の中と、アメリカの都市のチャイナタウンである。


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