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東京慕情・王子

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 02.2012 東京散策
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初めて王子という所に行った。
いや、「初めて」というのはウソになる。

王子と言えば飛鳥山公園
その飛鳥山公園に、小さい頃母方のおじいちゃんに連れられてよく遊びに来てたらしい。
私が小さい頃母方の両親は駒込に住んでいて、私がそこに泊まりに行くと旧古河庭園や飛鳥山公園に連れて行ってもらった。
旧古河庭園の写真は残っているので記憶があるのだが、飛鳥山公園は記憶にない。
行けば思い出すかな、と思って小高い丘になっている公園に登ってみたけれど、そこの風景は残念ながら私の記憶にはなかった。3~4歳頃のことなので仕方ない。

飛鳥山公園はだだっ広くて、冬なので花が咲いているわけでもなく、何もない。
ただ、今は花がなくとも、さすが「桜の名所」だけあって桜の木が沢山植わっている。
花見の頃の賑わいが想像できる。


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王子といえば飛鳥山公園の次に、堀江敏幸の「いつか王子駅で」

この小説のタイトルを聞いた時、「あの」王子だとは夢にも思わなかった。
王子という街は東京の中でも実にビミョーなところだ。どこか北の方の、板橋区なんだか北区なんだか、あるいは埼玉なのか。。。。東京都民も分かっていない人が多いと思う。私もそうだった。

用がなければ行かない所。そしてほとんどの人に用が無い所。
「下町」だとか「寂れた」だとか「陸の孤島」だとか、なにかタイトルがつけば人は行きやすいのであろうが、この王子という所は下町でもなく、忘れ去られた街でもなく、人はそこそこ多く、若者も住んでいるし、そこそこの活気もある。
なんでそんなビミョーな街が小説の舞台に? 
そんな興味で手に取ったのが数年前。だけど読まずに放置してあって、去年読んだのだった。


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小説は、本筋に関係ない意外な事を教えてくれたりする。
王子製紙の名前が、地名の王子から来ているとは考えもしなかった。
王子製紙と言えばずっと銀座にあって、その名前が北区の王子だなんて何十年も思わなかった。「プリンス」の意味の王子だと思っていたくらいだ(笑)
考えてみると、王子という街は、隅田川や荒川が流れている。川沿いの低地にかつては製紙工場が沢山あった場所であり、洋紙工場発祥の地でもあるのだ。



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戦後焼け跡に立った闇市が飲屋街になり。。。。というのは東京のあちこちで見られる光景だが、この王子にもそんな戦後からの飲屋街がある。


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もう一つ。王子と聞いて思い出すのは王子出身の男の子。
私の人生で、王子生まれと出会ったのはこれきりだ。だから彼が、私の中で「王子の顔」として記憶される。

「王子って知ってる?」と聞かれ、「よく知らない」と当時答えた。
「年下の男の子」なんて曲も流行ったが、彼と出会ったのはその曲からずーっと後のことだ。彼は7つくらい年下だったと思う。
7つ下なのだが彼は185cm以上身長があって、「年上」の私はぐんと上から見下ろされた。
スイミングクラブでインストラクターをやっているとかで、彫刻のような肢体や標本のような骨格は色の薄いジーンズの厚い生地に負けずに主張していたし、「飾る」という服の意味は彼の肉体の前では消え失せ、単なる付き人みたいなものに化していた。
おまけに顔もハンサム君なわけで、「ここまでかっこ良すぎると、かえってモテないだろうなあ」と余計な心配をしてしまう。
だが、心配ご無用でモテるらしい。インストラクターをやっているわけで、彼が目的でクラブに入って来る女の子なんてうじゃうじゃいるらしい。それこそ、金魚のふんのように付いてくる女の子たちが。年の変わらぬ「先生と生徒」の間柄が、いつか「恋人」に変わらないかと夢見る乙女たちが沢山いるのだ。


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そんな彼は年上好きと見え、私をナンパしてきた。
どんなにカッコ良くとも、背が高ろうと、ハンサムだろうと、モテようと、男に「若さ」というのがつくとそれだけで価値が落ちることもある。
若いというだけで魅力にも変身するのだが、この若さというのは利用方法やアプローチ先を間違えるとただのゴミくず同然になってしまう。

今の私だったら、「若いというだけで勲章だ!!」と拍手くらいしてやれるのだが(笑)、当時の私はまだまだ若かったせいもあり、「男の若さなんてなんの勲章にもならないからね」なんて言っていた。
すみません。王子生まれの君よ。
今思えば、彼の彫刻のような肉体をモデルにしてデッサンでもしておけばよかったとつくづく。。。
写真でもいいんだけど、カメラより「デッサン」と言った方が、芸術的関係を保てるかなー、と(笑)

王子の街を散策しながら、「彫刻くん」を思い出していたのだが、「あの子はこの街で育つには、目立ちすぎただろうなあ」と思った。六本木のクラブでも目立っていたからなあ。



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飛鳥山公園のふもと。さくら新道と呼ばれる小路。
戦後闇市からの、レトロな飲屋街がある。
木造長屋の一連。タイムスリップ。


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ここを訪れた2日後。
信じられぬ火災事故のニュースが目に飛び込んだ。

見るも無惨に焼けた家屋。
二階の住居部分で、電気ストーブからの引火が原因らしい。
二棟全焼で、他棟へも火は燃え移った。

2日前に目にしたものがもう無い。
それが木造家屋の怖さでありはかなさだ。

この飲屋街は歴史的意味があったけれど、決して文化財に指定されるような場所ではなかっただけに、保存も建て直しもない。壊れたらそれまでで同じように復活はできない。

この日王子に行ったのは、なにかに呼ばれたのかなあ。


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