東京慕情・堀切(2)

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 21.2012 東京散策
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堀切散策編の続きです。

歩いていたらふとこんな面白い建物に出会った。
2階の窓が個性的で面白い。洋風の青い屋根瓦も。
今はアパートになっているのだが、元病院(個人医院)の建物かな?と思った。
。。。が、1階の入り口にある円柱を見てひょっとしたら。。。と。

ひょっとして元女郎屋さん?
こういう円柱は玉ノ井に残る元売春宿でよく見ている。



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と、雰囲気の残る入り口に釘付けになっていたら、中からおじさんが出て来た。ここの住民らしい。
いろいろと話していたら、「ここは元女郎屋さんだよ」と教えてくれた。やっぱり。

「堀切に3軒残っていたうちの最後の一軒よ。この建物ももう古いからね。いつまで残っているかどうか」
「撮るなら中にも行ってごらん。昔のまんまの雰囲気が残っているから」

えー、中に入ってもいいんですか?
それでは、住民さんのお言葉に甘えて。中にお邪魔することに。



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ドアの中は薄暗い廊下が。
床には白と茶色のタイル。このタイルがいかにも女郎屋さん。
廊下の両脇に部屋。今はそのままアパートの部屋に。
一部屋4畳半の畳部屋。引き戸のドアには留守宅には南京錠。
子供の運動靴もあるし子供の自転車もあるので子供もいるらしい。

もろ「昭和」なこの廊下の雰囲気。
映画「浮雲」で、主人公の森雅之演じる男が一人で借りるアパートの廊下がこんな感じ。
あれは戦後のお話だけど、この建物も戦後そのまま。



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2階に行く階段がある。
階段の幅も、ちょうどカップルが2人で歩いて行ける幅。

2階へは土足厳禁。住民のスリッパが並んでいる。
来客用のスリッパが木の靴箱にあったのでそれを履いて上に。



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この建物の外観にまず目を奪われ放心していたのだが、中に入ってからは私の魂は全部奪われた。

映画のセットでもない、作り物でもない本物のすごさ。
歴史の重みや人間の生々しさがそのまま残っている感じ。



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2階部分。格子戸。
床は1階と違って、飛び石をデザインした作り。
ちょっと料亭っぽい。
1階と2階では部屋の広さが違うとか、料金が違うとか、あったのだろうな。



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薄暗い部屋。

覗いてみると、

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男性用トイレ。
よかった。人がいなくて。

海外の旅先で、「男性用」という文字が読めなくて思い切りドアを開け、「お仕事中」だった男性が一斉に困った顔でこちらを向いた。。。という経験は一度や二度ではないですから。


下に戻るとおじさんが「なかなか戻って来ないから、心配しちゃったよ~~」と言っていた。
どうもすみません。。。 さっさと急いで撮影していたつもりなのだが、撮り始めると時間の観念が浦島太郎になってしまうのだ。
随分長くいたのかなあ(分からない)
本当に私は浦島太郎になっていた。
ドアの外に出て「下界」を見たとき、頭がくらくらっときたもの。

え?私は今までどこに居たんだろう? 
すっごく濃かった。濃すぎて疲れた。
空気に圧倒された疲労感。

外と中では空気が違う。

これを見た後は、街をぶらぶらしていてもなにも目に入らなくなり、どれも薄く感じてしまい、帰宅することにしたのだった。



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今回10回目の東京散策編。
まだ行った所はあるのですが、ちょっと整理する時間が無くなって来てしまい(汗)、ちょうど10回でキリがいいし、もう季節も冬から春に変わったことだし(笑)、今回はこれでおしまいに。
長らくお付き合いくださいありがとうございました。




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