50’sハンバーガーの味

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 16.2012 アメリカの味/外食
grant11.jpg



アメリカにはもちろんピンからキリまでのハンバーガーがある。
だけど、ものすごい不味いトンカツ(しかも高い)とかタイカレー(甘いっ!)には普通にお目にかかるけれど、ものすごく不味いハンバーガーに遭うことはほとんどない。
不味く作ろうとしても不味く作り用がない。アメリカである程度のレベルが保証されているのが、このハンバーガーとサンドイッチだと思う。
なんだかんだ言っても、やっぱりハンバーガーはアメリカの味の代表であろう。

確かにハンバーガーも、お金を出せば出すほど美味しい物が食べられる。
デザイナーズバーガーと呼ばれるバーガーもアメリカでは人気で、$10以上するのも珍しくないし白い陶器のお皿に載ってくる。
しかしふと思う。ハンバーガーって、こんなに高級であるべきなのか?(笑)
所詮ファストフードなのだ。ハンバーガーは、日本で言えばかけそばやラーメンと同じ。
どんなに美味しいと言われても、きつねそばやたぬきうどんをわざわざ白いテーブルクロスの上に出してもらわなくてもいいだろう。

私も最近ちょっと、「進化」しすぎたハンバーガーに慣れすぎていた、と思っている。
美味しいことは美味しいけれど、マクドナルドのビッグマックが非常に小さく感じてしまうほど、最近のデザイナーズバーガーは巨大化している。
野菜もたっぷりだけれど、肉の厚みもすごい。

そんなとき、初心に返らせてくれるようなハンバーガーに出会った。


grant21.jpg



シカゴのサウスサイドに、大きな古いアイリッシュコミュニティがある。
セント・パトリックスデーの時は、市内で最大のパレードが行われる場所だ。
色んな人種がいるダウンタウンから行くと、白人一色の(しかもアイリッシュがほとんど。。。みたいな)コミュニティはちょっと異常に感じるのであるが、これまた黒人居住区と隣接しているから、これまた不思議な空間だ。

そこで1954年から店を開いているGrant's Wonderburger Grill。
この時代なのに、ウェブサイトもなにもない。
サイトなんてなくても、古くからの固定客がしっかりある地元に根付いている店というのは強い。
大体場所柄(ダウンタウンからは遠い)、観光客なんて全く目当てにしていないのだ。

扉を開くと、常連客らしいお兄ちゃんが一人カウンターに座っていた。。。。。と思ったら、彼は店員らしく、私を見た席を立ってキッチンに立った。
そして近所のおばさんらしき2人がテーブルに。


grant31.jpg



メニューを見たら、驚くほど安い。
ハンバーガーとフレンチフライと飲み物で、合計$5だ。東京だったらコーヒー一杯も飲めないよ。。。ってな値段。
フランチャイズのマクドナルドやバーガーキングやウェンディーズのセットよりも安いなんて。

安い値段で提供して、何度も客たちに戻って来てもらう。
これが地元に根付く店、日本だったら定食屋の掟だろう。
そこには特別なメニューなど必要ないのだ。

ハンバーガーは、特別に美味しいわけじゃないけれど、はずれというものはない。
そうそう、昔のハンバーガーってこんな感じだったよね、という懐かしいお味。
私のお腹にもちゃんとおさまる小さなバーガー。
そう。昔のハンバーガーは、アメリカでだってみなこんなサイズだったのだ。
いつの頃からか、量とサイズに重きをおくようになった国民は、どんどんデブっていった。
ハンバーガーのせいではなくて、そのサイズと量のせいなのだけど。

ファミリー経営の昔ながらの店は、店内にも家族の写真がいっぱい。
家賃を払わなくていい「持ち家」の店が良心的なのは、値段だけではなくてサービスもある。
どんどん値上がりする家賃に泣いているダウンタウンの店は、料金を上げるしかないわけで、同じもの食べてもここの倍はするもんなあ。
いいね、やっぱり古くからのコミュニティは。

ここの店の自慢は、カーリーフライ。
くるんとカールしているフレンチフライは、油っぽくなくて美味しいのでした。
アメリカで60年も続けば立派に「老舗」だ。
これからも頑張ってほしい。



grant41.jpg




『黒人コミュニティ、「被差別と憎悪と依存」の現在』高山マミ著
亜紀書房より5月7日発売です!
Amazonにて予約開始しております。





『ブラック・カルチャー観察日記』高山マミ著 
11月に発売されました。
全国の書店で好評発売中!!

オンライン書店(以下は一部) 
Amazon
HMV
MARUZEN & JUNKUDO
楽天ブックス
セブンネットショッピング
ビーケーワン
紀伊国屋書店BookWeb


スポンサーサイト