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To Cairo, Airo, Illinois!!

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 29.2012 シカゴからの小旅行
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ミシシッピ川に合流する一歩手前のオハイオ川。

去年の5月、この堤防の上位部分まで水位が上がったのだ。



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私は小さい頃から海よりも湖よりも川が好き。
向こう岸が見える、だけれど向こう岸は別世界。別世界が想像出来る、というのがいいのかもしれない。
湖だとどんなに大きくても、ぐるりと一周して同じ所に戻って来てしまうが、川はどんどん景色を変えて進んで行くし。

この対岸はケンタッキー。



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これはミシシッピ川。


Oh, a river's gonna flow
'Cross the land 'Cross the land
Oh, a river's gonna flow to the sea

And a boy's a gonna grow to a man, to a man
Only once in his life
Is he free
Only one golden time in his time
Is he free


ミュージカル映画「トム・ソーヤー」のオープニングの歌。
川の流れと共に少年も大人になる。

「少年」だけで少女がいないのが気になるが、あの時代に川っぺりで遊んでいたのは少年たちって決まっていたのだから仕方ない。私は勝手にトムやハックに自分を重ね合わせていたが(笑)

今思うと、「Is he free」って詞は深い。
川は自由なんだよ。氾濫しようがなにしようが。

だけど、少年たちよ。あなたは本当に自由か?



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ハックの物語には奴隷のジムが出て来る。
ジムに比べれば、ハックは「自由」の身であるはずだが、飲んだくれの父親の束縛がある。

わんぱく少年のトムも、自然児のハックに憧れながらも、徐々に文明化されていく。
洗練されていくトムと、それを拒否するハックと。

ミシシッピを走る客船に乗れる身分になるのと、自分で作ったイカダで自分のスタイルを持ち続けるのと、どちらが自由なのだろう?

自由な身分のはずの白人の子供たちにも、大きなしがらみがあって、自由を手に入れるために四苦八苦する。
大人になればもっと自由になれると思うが、実はそうでなかったりする。

”Only once in his life”なのだよ。
貧しくとも束縛があろうとも、最も輝く”golden time"に、少年時代に自由を手に入れるために冒険をした者は、自由の尊さを分かり得るだろう。
「いい家」の子供たちがみんな、あばら小屋に住んでいようがハックに憧れていたのは、ハックが自由に見えたからなのだ。ハックはみなが持っていないものを沢山持っていた。

一番尊いのは、自由な精神。
だから、自由に生きるミシシッピ川を、マーク・トウェインはリスペクトし続けたのだろう。



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「Cairo, illinois」っていう歌がある、と夫が言う。
「ハックルベリー・フィンの冒険」のミュージカル映画で出て来たらしい。その映画は昔観たことがあるが、歌を全く覚えていない。

夫は、映画は全く覚えていないのだが、この歌だけなぜか覚えているという。
奴隷のジムとハックが一緒に歌うのらしい。

「どんな歌詞?」と聞くと、「To Cairo, Airo, Illinos~~♪」って歌だという。
その部分しか知らないらしい(苦笑)。
しょうがないので、ケアロに向かって運転している間、その部分だけを何度もリフレインして歌っていた(私一人で)。

To Cairo, Airo, Illinois~~♪



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奴隷のジムは自分が売られるのを恐れて、奴隷州のミズーリから、自由州イリノイのケアロの町まで逃亡する。
ケアロは自由の象徴。
「そこで店を開くんだ」とジムは夢を語る。
自由になったら、ハンニバルに置いて来た自分の妻と子供を買って呼び寄せるんだ、と。

暴力父親から逃れるために、そしてジムの逃亡の手助けをするために、ハックも一緒にイカダに乗る。
二人にとって、お互いが必要になってくる。

「トム・ソーヤー」は子供向けの物語だけれど、「ハック」の方は子供が全てを理解するのには難しい内容だった。
オリジナルを大人になってから読むと、どどーん。。。と胸に来るものだ。
自分の成長と共に、なんども読み直さなければいけない本だろう。

「ニガー」という言葉が出て来る差別的な本だと、人種差別団体が糾弾してからアメリカの学校では扱われなくなったとか、「ニガー」の代わりに「奴隷」という言葉に置き換えた版がメジャーだとか。
もうバカバカしくてお話にならない。

言葉狩りもいい加減にしてほしい。
「ニガー」はあの時代には全く差別用語でもなんでもなかったのだし、マーク・トウェインの本書の意図を読み取らずに言葉尻だけで偉大な文化遺産を禁書扱いのようにするのは愚か極まりない。
アメリカの子供たちがこの本を読まなくなったら、ハックを知らなくなったら、それこそアメリカの良心を失うことになるぞ。



ジムが「店を開くんだ」と夢を見ていた自由の町ケアロは、それから150年もしないでゴーストタウンになってしまった。

かつての貿易の町らしく、立派な税関の建物(1872年築)は、今は博物館となっている。


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