Lincoln

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 20.2013 映画&ドラマよもやま話
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映画「リンカーン」を観ているときに寝てしまったという話を先月書いた。
「Land of Lincoln」と呼ばれる、リンカーン大統領を生んだイリノイ州に住んでいるので、一応は観なくちゃいけないだろう(笑)と思って観直したのであった。
単に、ダニエル・デイ・ルイスの演技を観たかったのもあるけれど。素晴らしい演技だということは百も承知で見るのだから、確認、という意味で。

映画自体は、ドラマチックに展開するわけでなく、アメリカ人なら誰もが知っている歴史の一コマである南北戦争から始まる。
誰もが知っている流れであるが、リンカーンがどのように悩み、考え、この国を見つめていたのか、奥さんに叱咤されていたのか、教科書には載っていない一部分を垣間みられる。もちろん脚色入ったリンカーン像なわけだけれど、「きっとこのような人だったんだろうな」とリンカーン好きなアメリカ人を再確認させ、さらにリンカーンを愛しくさせる。

リンカーンは、常に歴代大統領の中でもトップの人気を誇る大統領。初代のワシントンは置いておいて、奴隷制度を廃止させた偉業に勝ることができる大統領はそうそう出てこないであろう。
奴隷制は当時のアメリカ人の多くにとっては、「いい」制度であったのだ。都合のよい制度であったのだ。それに頼り切った感覚にマヒしている人々に、奴隷制度の過ちを、今では当たり前となった常識の言葉で説いて行く。

普遍的な正しさなどはない。正しさは時代や立場や状況によって変わるのだ。
だからこそ、後世に「正しかった」と言われることを決断することは難しい。政治家に求められるのはそこなのだ。
逆に後世になっても「あの大統領のせいで。。。」と言われる大統領はやはり人気も低い。
普遍的な正しさなどないのだから、これからずっと後の時代に「リンカーン大統領は間違っていた」とされる時代が来ないとも限らない。ただそのときは、アメリカ人が良心を忘れたときであろう。


リンカーンの妻役のサリー・フィールドは好きな女優だ。迫力あるとてもいい演技だ。
ただ、ダニエル・デイ・ルイスに比べるとやはり年は取りすぎていて、どう見てもリンカーンのお母さんにしか見えない。メイクで同じ位に近づけていても、サリー・フィールドのおばあちゃん的なイメージも既にあるし。。。
リンカーンの息子役にジョセフ・ゴードン・レヴィット。最近かれはモテモテで色んな映画に出まくりだ。最近の主演作品「Premium Rush」が楽しい映画だったので、「リンカーン」で見た時は「おお、ここにもか〜」と思った。
もう一人役者の話をするなら、忘れかけていたJames Spaderが出ていたので驚いた。かつての青春映画の中の青年が、太ったおっさんになっていたので「これ、彼かなあ??」と、最後のクレジットを見るまで半信半疑であった。あまりに久しぶりにスクリーンで見たが、いい味を出していた。若かりし頃の彼に惚れていた、というゲイの友人がいるが、「「リンカーン」観るといいよ」と教えておこうかな(笑)。

「リンカーン」(映画)は退屈だ、というアメリカ人も多い。
アメリカ人にとっては知り尽くした大統領の話と歴史なので、驚きも発見もあるわけではない。
果たしてこのアメリカの大統領の映画が、日本とかでどうウケるのだろうか。逆によく知らない人たちもいるであろうから、捉えられ方は違うだろう。

夫のおじさんにリンカーンおじさんという人がいる。アメリカ人はよく、偉大な大統領の名前をファーストネームに付けたりする。
人の名前だけでなく、シカゴにはリンカーンパーク、リンカーンスクエア、リンカーンアヴェニュー。。。とリンカーンだらけで、保険会社や会社名にもリンカーンは見かける。
ちなみに、イギリス人に言わせると「ファミリーネームをファーストネームにするアメリカ人の名前は変だ」ということである。
アメリカ人はお母さんの旧姓を娘の名前にしたりするのはとてもよくあることで、ファミリーネームがファーストネームの人は多い。
日本で言えば、「田中角栄の名前を息子に付けたい」ってことで(新潟には多いのだろうか??)、「田中」をファストネームにするのと同じ感覚だ。苗字が山下なら、「山下田中」という氏名になる。「鈴木渡辺」とか「村山佐藤」みたいな。こういうアメリカ人が多いってこと。
そりゃ、イギリス人に言わせれば変だ。アメリカにいると、へんてこりんな名前に慣れてしまうけれど。



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