レトロダイナー in Memphis

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 07.2013 Memphis
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メンフィスの街をぶらぶら散歩していたら、レトロなレストランが目に入った。

その日は残念ながら閉店していたのだが、窓から中を覗く。
レトロなダイナー、アーケードレストラン。



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翌日ここでランチをした。



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サンドイッチには、メンフィスが舞台になった映画のタイトルがついている。
Mystery trainThe Rainmaker21 Grams。。。。。など。

私が頼んだのは21 Grams。
グリルしたナスとローストしたレッドペッパー、モッツァレラチーズにガーリックマヨネーズのサンドイッチ。
ダイナーで特別美味しいものを期待していなかったので、この美味しさにビックリした。
ポテトサラダとピーチコブラー(南部のスイーツ)がついてくるところが南部的。




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サンドイッチの中身と映画のタイトルは全く関係ないのだが、ショーン・ペン主演の「21グラム」という映画を思い出した。
もう随分昔に観たので細かいところは覚えていないが、かなり重たいストーリーだった。ベニシオ・デル・トロ演じる男性が狂信的なクリスチャンという点で南部的な色を出していた。

この時は全く知らなかったのだが、「21グラム」でこのダイナーのシーンがあるのだと。




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「ミステリー・トレイン」はジム・ジャームッシュの映画。懐かしい。1989年だから、もう24年も前の映画になるのか。 
全てメンフィスの街でロケし、メンフィスを怪しい魅力にあふれた街として描いている。

これもシカゴに帰って来てから知ったのだが、「ミステリー・トレイン」でもこのレストランが使われている。第二話のローマから来た女性客が「エルヴィスのゴースト」の話を聞くシーンがこのダイナー。
なんだなんだ。好きな映画に使われていたなんて。なにも知らずにこの店に惹き付けられたけれど、それはそれで感激だ。




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ネオンサインからして、歴史を感じる外観。
1919年にギリシャから移民して来た男性がオープンしたのが始まりだとか。
それから約100年、ずっとメンフィスの移り変わりを見て来たわけだ。映画のロケになったことよりも、そっちの方に興味があった。

ここはアムトラックの駅前にあり、列車全盛時代は最も人通りの激しい交差点だったはず。
50〜60年代は、24時間オープンのいつでも賑わう店だったらしい。
しかし自動車の時代になり列車の利用客が減り、キング牧師の暗殺(1968年)のときは暴動も起き、住民はみな郊外に引っ越して行き、治安も悪化し、ゴーストタウン化した。




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通りの店もどんどん閉店する中、このダイナーはずっとここにあり続けた。
そして街に活気が戻ってきてからは、ご覧の通り。

なんとエルヴィスはこの店の常連だったとか。これも後から知ったが。
メニューに確かに「ELVIS」という名前のサンドイッチがあったが、それは本当にエルヴィスのために作られたメニューだったらしい。もちろん、彼の好きなピーナッツバターとバナナのサンド。ちょっと好みじゃないので食べませんでしたが(笑)。




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この店には滞在中なんどか顔を出した。




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これは朝食。
サンドイッチの右奥にあるのは、日本ではお目にかかれないグリッツ
南部の朝食にはついてくる。乾燥とうもろこしの粉から作られた、いわばお粥のようなもの。ツブツブが美味しい。このままでも味があるが、好みによって塩をかけたり砂糖をかけたり。南部の人は砂糖をかけて甘くして食べる人も多い。




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これは夫の朝食。
ビスケット(クッキーではない。丸いパン)にグレービーソースがかかったもの。
このビスケット&グレービーというのも、南部料理の典型。
これは一般には北部の朝食には出てこない。




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観光客も来るのだろうが、我々が行ったときはシーズンでもなかったせいか、地元の客ばかり。
近所の家族連れが、店内で会って挨拶する。。。。そんな雰囲気だった。




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キング牧師の暗殺事件や、暴動、貧困の荒れた時代にも生き残った店。
今後それ以上悪い時代は来ないと思うが、あの時代を通りくぐったなら今後もこの店はあり続けるだろう。
メンフィスの生き証人。



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