冷製ボルシチ

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 31.2013 料理/デザート
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30℃近い日が続いている。まだ5月だというのに。
痛い日差しにスコールのような雨。夏が始まる。

夏には冷製ボルシチ。赤ビーツで作ったスープ。
ボルシチは温かいのが普通だが、夏には冷たくしたスープがよく飲まれる。

赤ビーツメインに、人参、レッドオニオンを入れた。肉なしのベジスープ。
最後にディルの葉っぱを散らして。

シカゴに住むロシア人、ウクライナ人、リトアニア人にレシピを聞いたら、全員違う。
赤ビーツだけ同じで、後は入れる野菜も違う。
これはお国の違いではなく、家庭の数だけボルシチも違うということであろう。

他にキャベツ、セロリ、キュウリなどなど、ビーツの色を邪魔しなければ何を入れてもよい。





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サワークリームを入れる。
ヨーグルトでもいい。
ビーツが甘いので、酸味を足すと美味しい。





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大学生時代、新潟港から船に乗ってロシアのナホトカに行き、そこからシベリア鉄道でロシアを旅したことがある。
まだロシアに旅する人が少なかったので、帰国すると日本人に「ボルシチ食べた?」「ピロシキ食べた?」とくり返すように言われた。ロシア料理と言えば、その2つくらいしか知られていなかった時代。

ピロシキは食べた記憶があるが、ボルシチが出て来た記憶がどうもない。夏の暑いときだったからかもしれない。
ロシアで記憶に強く残る食べ物は、シベリア鉄道の中でよく食べたロシアの黒いパン。
グルテンなしのライ麦パンは、ふっくらせずに硬かった。だけれどあの硬くてチューイーな歯触りと独特の酸味の大ファンになった。日本に帰って来てからあのパンを探したが、やっぱりなかった。
ときどきポーランド人街の店であのパンを買う。懐かしい。

シベリア鉄道では、紅茶に入れる角砂糖が置いてあるのだが、これがものすごく硬かった。
角砂糖はマトリョーシカの絵が印刷された紙で包まれていて、この紙質が素朴(悪い)で、包み具合のずれ型がまた洗練されていなくて。いかに日本やアメリカの身の回りにある数々の物が、デザイナーの手を通りよく考えられ洗練されてきた物だということがしみじみ分かった。
このマトリョーシカ角砂糖は、ロシアのナホトカからモスクワやレニングラードにいたるまで、各地でお世話になった。共産圏というものは、角砂糖一つにしてもデザインが決まっている。あの広大な国土で、流通している角砂糖は同じものなのだ。

それから思い出深いのはキャビア。
レストランに行くと、前菜に必ずといっていいほどキャビアが出て来た。
一応高級レストランなのだが、当時のルーブルは信じられないほど価値がなかったので、学生身分でもロシアに行くと随分な贅沢ができたものだ。なわけで、正真正銘高級なロシア産のキャビアを食べるのも簡単だった。
ロシアからキャビアの瓶詰めをいくつもお土産に買って来たのだが、不思議と帰国してからは食べる気が起こらず、いつまでも冷蔵庫の中に入ったままだった。ロシアで暴れ食いし過ぎたか。





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サワークリームやヨーグルトと混ぜ合わせると、鮮やかなピンクのスープに。
塩こしょうした茹でジャガイモを付け合わせに。

ビーツは皮剥くだけで手が真っ赤に染まる。まな板も包丁もどこもかしこもビーツ色に。
大量に料理すると、それはそれはおぞましい(?)現場なのだが、この赤あってこそのビーツなので楽しもう。




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ジャガイモを入れて食べるととても美味しい。
ビーツの甘みに、ジャガイモの塩味とホクホク感が合う。

夏に一度は食べたくなるスープ。






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