ショーンと歩夢

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 12.2014 人いろいろ/人間
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信じられないことが起こるものである。
ショーン・ホワイトが金メダルを逃すどころか、4位とメダルにも届かなかった。

夫とハラハラしながら観ていたハーフパイプ。
先日も書いたけど、私としては平野歩夢選手という楽しみがもう一つ増えたので、ショーン応援というだけにはいかなくなった。
個人的には、やっぱり王者のショーンに金を取ってもらって、平野選手が銀になるといいな、と思っていた。

ところがところが。波乱の決勝。
ファーストランでコントロールを失い、信じられない大失敗のショーン。
一方、平野選手は落ち着いて大きなミスもなく高得点。セカンドランはさらに点を伸ばす。高さはあるし技もばっちり決めるし、着地もきれい。
スイスのポドラドチコフが、ファーストで大失敗したのにもかかわらず、セカンドで落ち着いて高得点出し、この時点で1位。
最後はショーン。彼が金を取るには、95点出さなくちゃ。でも彼なら、最後の滑りでカッコよく決めて、11位の出遅れからいきなり1位になるんじゃないか、と思った。
大ピンチから一気に挽回して優勝に導くことが、精神的にも技術的にも出来るアスリートはマイケル・ジョーダンくらいしか思い浮かばないが、ショーンもそういうタイプ。本当にそうなったらすごいシナリオだよなー。ドラマだよなー。。。と手に汗を握りながら観戦。

だけど、ソチのコンディションはショーンに味方しなかった。小さなミスが目立ち完璧じゃない。完璧じゃないなんて、ショーンじゃない。
滑り終えて、ひょっとしてメダルにすら届かないかもしれないことはショーン本人が一番分かっているはずだけど、頭かかえることもなく、笑顔で元気に観客に応える。
たたき出された数字は4位と、この瞬間多くのアメリカ人は、いや世界の観客は「え?」と思っただろう。
ショーンも、オリンピックで失敗する人間だったんだ。。。。ショーンだけは特別、と思いたかった人々は、当たり前のことに気づかなければいけなかった。

思えば、参加予定だったソチ五輪の前のX Gamesを急遽キャンセルしたり、怪我もあった。
オリンピックでは新種目のスロープスタイルに参加予定だったのに、それも急遽取りやめた。「ハーフパイプに集中するため」とのことだが、守りに入っているなあ、と思った。今回はあまり自信がないのかな、と。

追いつかれる立場より、王者に追いつけ追い越せの立場の方がいい。プレッシャーも全然違う。
ショーンは「ミスター・ウィンターオリンピック」。注目度も期待もクレイジー。

ソチのハーフパイプのコンディションは最悪と評判で、練習中に転倒者も多く、競技日程をずらしてでも修正すべしと何人かの選手が訴えていた。でも簡単な修正で、日程通りに競技は行なわれた。
一番文句を言っていたアメリカの選手は、立て続けの転倒など燦々たる結果で終わった。コンディションの悪さは、どのアスリートたちにとっても同じで、それは公平だ。
どんなコンディションでも練習で飲み込み、それに合わせてその中で自分の最高の演技を行なう柔軟さも問われているのではないか。

そういう意味でも、予選、決勝と大きなミスもせず、自分の演技を予定通りに堂々と淡々とこなした平野選手は素晴らしく、驚異。
積み上げて来た練習と才能。自信たっぷりの、15歳の頃のショーンを思い出す。

ショーンが大不調のおかげで、平野選手だけでなく平岡選手も銅メダルに。
銀、銅と、いきなり日本勢すごくないですか。
2人共中学、高校生とまだ若く、このメダルで一気に日本のスターとなって日本のマスコミが騒ぎ立てるのは目に見えているが、どうかあまりちやほやせずに、あちこちに引っ張り出さずに、しっかりと今後も練習させてあげてほしい。日本のマスコミは、応援しているんだか選手をダメにしてるんだかよく分からないこと多いんで(苦言)。
次回のオリンピックは、今回の参加とは比較にならないプレッシャーと闘わなければいけないはずだから。
彼らはまだ成長期。まだまだ伸びる芽は大事にしてあげたい。

ショーンが寂しい顔をしていたのを見るのは辛いが、小柄な体で平然と宙に浮く平野選手たちのパフォーマンスに励まされた。
夫はショーンの結果を見てあまりにガッカリして、しばらくうなだれていた(笑)。
わかるわかる。これは。。。日本にとっては、真央ちゃんが大失敗してメダルにも届かず、4位で終わるようなもの。
あるいはフィギュア界においては、女王キム・ヨナが、転倒&ミス続きの大失敗でメダルどころか4位になるようなもの。それくらいの波乱である。

スノーボードの世界にショックを与え歴史を変えただけでなく、冬季オリンピックの楽しみも倍増させてくれたショーン・ホワイト。
彼を本当に抜くことは容易じゃないが、いつかショーン以上のスノーボーダーたちが出て来る日もあるのだろう。
やんちゃ坊主だったショーンも27歳。オリンピックはこれで最後かな。でもトップの座はまだまだ続く。
終わってみても、やっぱりショーンはヒーローだよ。
他の選手に対してリスペクトを忘れないスポーツマンシップ。大スターなのにフレンドリー。メディアに対しても礼儀正しく、明るく健康的で気持ちいい。観ていて楽しくなるだけでなく、テンション上がるパフォーマンス。ファンにならずにはいられなくなる、アスリートの鏡です。




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