アーミッシュとメノナイト

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 22.2010 アーミッシュの村
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アーミッシュというのは、スイス系ドイツからの宗教集団。
キリスト教の派から派生した、いわゆる新興宗教を信仰する人々である。

彼らの生活は信仰と共にあり、生活の中の規律も厳しい。
例えば服装。虚栄を嫌う彼らは、派手な服装もしないし女性の化粧も禁止、男性の口ひげ(あごひげはいい)も禁止。
男性は白いシャツに、黒いパンツ、黒いジャケット、黒いつば付きの帽子(夏は麦わら帽子)が基本。
服に一切のボタンも禁止である。
「Plain People」と呼ばれる所以である。

女性のドレスも紺色や紫と渋めの色が多く、頭には白いオーガンジーのキャップ。
化粧もしないで1日農作業して働く彼らだが、肌が綺麗なのは規則正しい生活の賜物か。

アーミッシュには大きく分けて旧派(Old Order Amish)、新派(New Order Amish)とがあり、その中でも地域やコミュニティによって沢山のセクトに別れている。戒律も違う。
また、アーミッシュから分かれたメノナイトと呼ばれる人々もこのコミュニティには住んでいる。
よくアーミッシュとメノナイトはごっちゃにされるのであるが、生活様式はかなり違う。

メノナイトの人々も農民が基本で、女性も同じようなドレスを着ているが、戒律がかなり緩い。
例えば若い女性なら、アーミッシュと同じようなドレスでも多少派手な色の服を着ていいし、靴も一般人と変わらない流行のCrocsを履いていたりする。
一般の店で買ったセーターやコートも着るし、慣れて来ると一目でアーミッシュかメノナイトの違いは分かる。


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これは馬に乗ってやって来た、おそらくアーミッシュ新派の少女。
目が合うと「ハロー!」とにこやかに挨拶してくれる。
ピンクのスカートをまくし上げて乗っているが、このえんじ色のセーターですぐ旧派ではないことが分かる。

アーミッシュ旧派は車を一切使わないが、新派は農耕用に限りエンジン付きの車を利用する人も居るし、農耕機具以外の車を持っている人たちも居る。
家庭内に電化製品を置くのも許されていて、電線が家の周囲にある。旧派のコミュニティには一切電線も無い。
新派は飛行機を使って旅行する事も許されている。

メノナイトらは、もっと規律が緩い分、生活の自由の範囲も広い。現代社会に合わせた自由を取り入れながら、彼らの信仰を持ち続ける人たち。
観光業に従事してガイドをしたりしているのはメノナイトである。
信仰心の違いから、アーミッシュとメノナイトはアメリカへの移民船の中でも仲が悪く口も効かなかったとされているが、今は同じ地域の中で互いに共存しているようだ。しかし教会は全然違う。
双方の間では「大きな違い」でも、このアメリカいおいては、彼らは非常に共通点を持っている人々なのだ。
そしてとにかく彼らは、争いを好まず、怒る事を恥とする、平和を愛する人々なのだ。

ペンシルベニアと中西部では、アーミッシュやメノナイトの服装や規律にも多少の違いがあり、さまざま。
聖書の解釈はコミュニティによって違う、ということであろう。

アーミッシュたちは写真を撮られる事を非常に嫌う。これはどこのアーミッシュも。
「撮ってもいいですか?」と聞いても、「申し訳ないけれど、撮られない事を望みます」と丁寧にハッキリ断られる。
というのは、彼らは「イメージ」を残すという事を信じていないから。
地域にテレビカメラが入っても、彼らはカメラに顔を向ける事は決して無い。顔を撮られる事を嫌う。

メノナイトの人たちは、比較的写真を撮られる事に抵抗が無いという。


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インディアナは元々田舎だし、農村地帯からはずれてもあまり車の無い所。
その中でもアーミッシュのコミュニティは本当に静か。

テレビも無いし音楽もない生活(賛美歌を歌う事だけは許されている)。

聞こえて来るのはバギーのパカパカした蹄の音。

いくら車が少ないとは言え、一般アメリカ人は車道を車で通り抜ける。
馬車との事故が無いように、アーミッシュの馬車の後ろにも赤いテールランプを付けることは、州の法律で定められている。

アメリカの政治、法律、学校教育などとは一切関係の無い暮らしをしている彼らであるが、アメリカ市民であることには間違いなく、アメリカの法律や規則に例外であるわけではない。
所得税も固定資産税も消費税もきちんと払う。
ただし、保険や年金の類には一切加入しない。
彼らは彼らのコミュニティで助け合い、他人(国)に頼らない、という信仰があるから。
国の義務教育機関も利用せず、税金だけは払うのであるから、アーミッシュの方が一般よりも負担が大きいのではないか、という説もある。

彼らは規則正しい生活のおかげか、滅多に病気で病院にかかる事は無いらしいのだが、事故などの大怪我で一般の病院にお世話になる事はままあるらしい。
農作業中の事故、建築中の事故(彼らは彼らの家や小屋を自分らの手で建てる)、あるいは車との接触事故。。。色々あるであろう。
保険に入っていない彼らにとって、負担額は莫大な金額になることもあるが、ちゃんとアーミッシュのコミュニティ内で協力しあって捻出し、きちんと支払われるらしい。大したものである。
アーミッシュ基金などという蓄えが、ちゃんとコミュニティ内にあるのかもしれない。


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