映画の中のアーミッシュ

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 24.2010 アーミッシュの村
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アーミッシュの家の中でも、とても小さなおうち。
アーミッシュは20歳になる前に結婚する事も多く、家庭を持つと8人~10人の子供を持つのは珍しくない。
なんせ人手が農作業に必要なのである。 昔の日本の農民がそうだったように。

この小さな家は、結婚したての子供の居ない若い夫婦の家であろうか。
家の前にバードハウスが2つ立っている。 アーミッシュの家にはよくある。

そういえば、映画「目撃者(刑事ジョンブック)」の中でも、このバードハウスが描かれていた。
事件の関係でアーミッシュの家に潜伏している、「一般人」の刑事ジョン・ブックは、アーミッシュの未亡人の居る家庭の納屋で壊れたバードハウスを見つける。
男手の居なくなった家では、それを修理する人も居ない。
ブック刑事は、犯人に打たれた傷を癒す間に、そのバードハウスを直すために大工仕事を始める。

彼とアーミッシュの未亡人の間に恋が芽生えるのであるが、それは境界を超えてはならない恋。
一般人と恋に落ちたら、彼女は一生アーミッシュの世界から追い出され、二度とそこに戻って来る事は出来ない。
だから2人の間にはためらいがあり、何も起こらない。

事件が解決し、刑事ブックがアーミッシュのコミュニティを出て行く時が来た。
その時に、直したバードハウスを彼女の家の前に立てて行くのだ。 お別れの印として。


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私がアーミッシュを知ったのはこの映画だった。
文明社会のこのアメリカで、そんなプレーンな生活をしている人たちが居る事が信じられなかった。

それから随分経ってアーミッシュの村を訪ねるようになってから、あの映画は「アーミッシュにとって侮辱の映画」と言われている事も知った。
アーミッシュの事を知れば知る程、やはりあり得ない。。。。あの映画の中のような恋愛は。あれはお笑いである。
何故なら、アーミッシュの人たちは、「一般人(彼らは、アーミッシュ以外の人たちのことをイングリッシュと呼ぶ)」との間にきっぱり線を引いており、あんな短期間の間に異性として相手を見るなんて考えられないからだ。

買い物などで「イングリッシュ」たちと接する事はあっても、彼らの生活の中にイングリッシュは居ない。生まれた時から大人になるまで、厳格にアーミッシュの人たちだけと過ごす。
アーミッシュ以外の人たちがアーミッシュの文化に興味を持つ事は多いが、アーミッシュが外の文化に興味を持つ事は無い。

外の世界に興味を持った場合は、コミュニティから出て行くしかない。一生。
出て行った者は、コミュニティ内では「存在しない者」として葬られ、語られる事も無い。完全無視なのだ。
アーミッシュは大家族であり、両親以外の大人たちからにもお世話になって育つ。兄弟姉妹も従兄弟も従姉妹も多い。
そういった関係を、一切捨てる覚悟が無ければ、アーミッシュをやめる事も簡単ではないのだ。

それなのに、あのアーミッシュの女性は、小さな息子が居るにも関わらず、刑事ブックに色目を使う(あり得んっ!)
自分はどうなってもいいが、自分がイングリッシュと恋に落ちたら1人残される息子はどうなるの?
そんな無責任きわまりない母親が、アーミッシュ社会に居るなんて思えない。

まああれは映画なので、サスペンスの中に「禁断の愛」を含まないと面白くならないからで仕方が無い。。。が、あまりにひどい。

ただ、その「あり得ない恋愛」の箇所を抜かしたら、よく描けている映画だと思う。
サスペンスとしての面白さ。治外法権の平和なアーミッシュの村を舞台にしたことは面白い。
それから、アーミッシュの人々の生活はよく描写されている。実際にアーミッシュの村々を見ても、「ああ、あの映画の通り」と思う。
人々の服装、家、大工仕事の様子、田園風景、家具や持ち物。。。
一見優しそうな顔だけれど、ハッキリを物を言う人々。きっかり外の世界からとは遮断する強さを持っている人々。

アーミッシュは映画も観ないので、自分たちがどのように描かれているかなんて知る由も無いのだが、アーミッシュをやめた人々は少なからずもこの一般社会に存在する。
「元アーミッシュ」で今は一般アメリカ人として生活している人たちは、ある意味アーミッシュの声を代弁している。
彼らが唯一、アーミッシュの生活を生で知り、そして現代社会で生活している人たちだから。
彼らがこういう映画に出会うと、やはり「それは無いだろー!」と苦笑してしまうのであろう。


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アーミッシュの中には、車どころが自転車も禁止している派もあるが、インディアナのアーミッシュのコミュニティは自転車が許されている派もある。

家の前には家族の数だけ自転車が止まっているし、チャリを漕いだおじいさんや子供たちによくすれ違う。


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このアーミッシュの男の子は、すれ違う時になんとピースサインをしてきた。
誰でもにこやかに挨拶してくれるアーミッシュだが、ピースサインは初めて(笑)

秋に来た事は初めてだったので、アーミッシュがニット帽をかぶっているのも初めて見た。
普通は黒いつばのある帽子である。
だがつばのある帽子は、自転車を漕ぐと風をうけて飛んでしまうし、ニット帽は耳まで隠れるので防寒には適している。

さすがに、女性がこのニット帽をかぶっているのは見た事がない。

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