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山谷

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 02.2018 東京散策
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山谷。ドヤ街。

日本のドヤ街は山谷しか訪れたことがないので、山谷に限ったことかもしれないが、いつも感心するのは、(どうしてもアメリカと比べてしまうが)治安がいいということだ。
昼間からワンカップ大関片手に座り込んで酔っ払っているおじさんは路上にいるけれど、歩いていて金を乞われたことなど皆無だ。
アメリカなんて、どこにでも物乞いはいて、カフェから出ると入り口で「金頂戴」。地下鉄乗るとプラットホームで「1ドル頂戴」。レストランから出てくると、出口に子連れ母親が構えていて「この子の食事代をくれ」(金は母のドラッグ代のため)。
だから山谷のおじさんたちのおとなしさというか、これをプライドというのかどうかはわからないが、自分たちと社会との距離の空け方、すなわち「俺たちもそっちを構わないから、こっちのことも放って置いてくれ」というスタイルには変な言い方だが感心してしまう。


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人は他人から寄られると避けたくなるわけで、こっちも放って置かれると興味が湧くというものだ。

夜の山谷は酔っ払いが大声を出したり喧嘩したりで騒々しいこともあるみたいだが、少なくとも昼間の姿は住宅街のような静けさ。
夜だって、関係者以外が巻き込まれて怪我するなんてことはないわけで、ましてや銃撃戦が始まったなんて聞いたこともない。
住宅街で銃撃戦が日常的に起こるシカゴからすると、なんかもう、人間のレベルが違うと感じずにはいられない。人間のレベルというのは社会が作り出すわけだから、悪品質を消せないアメリカの社会は、「工場」自体がメインテナンス不足でシステムが間違っているのだと思う。


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ストレスの吐き出し口として、人間の社会には酒がある。
酒を飲む理由はいくらでもつべこべつけられるが、手っ取り早い合法の精神の緩め方が酒だから、人は酒を飲むのだ。
必ず、社会の底辺には酒が存在する。その上を行くものがドラッグだが、幸い、山谷の路上には薬物中毒者はゴロゴロしていない。
これは山谷で暮らす人が偉いのではなく、手に入らないからそうしないだけ。ドラッグは、簡単に治安を乱す魔物。裏社会でははびこっているものの、ドヤ街にドラッグが蔓延していないことに私はホッとする。

ホーチミンのシクロの運転手たちが寝て休憩をとる路地裏には、空の注射器がたくさん落ちている。
こうなると、運転手たちの犯罪が起きるようになる。

山谷が、他所から人が入りにくい場所にならないこと、それを祈るばかり。
外からの空気は、山谷の人たちにとってもプラスになるのだから。


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宿の連なる通りを歩いていると、目を引く黄色い建物。
周りをウロウロしていたら、中から人が出てきて「中も見ていきますか?」
では遠慮なく上がらせていただきます。

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12年前にドヤ(宿)を改装して、旅行客用に新しいビジネスを始めた三三ハウス。

玄関には、アーティストによって描かれた大きな龍。


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1階に共同キッチン。
ユースホステルみたいな感じですね。


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龍の壁に沿って2階の部屋へ。
昔の宿の状態は全くそのまま残してあるので、山谷のドヤの様子がどんな風なのか勉強にもなります。

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これが典型的な部屋。
一部屋2畳半。狭いですが、寝れます。部屋には全て新しいベッドが入っています。


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ベッドのあるところが2畳半でも、各部屋にロフトがついていて、ハシゴで上に上がれる。荷物をおいてもよし、友達とシェアしてもよし。
一部屋1500円くらい。やすいです。

ただ、入り口とかハシゴの部分とかかなり狭めで、体の小さい私でもちょっと窮屈でした。ダウンコートを着ていたのもありますが。
だから体の大きな外国人にはちょっと狭いかなあ。。。。エコノミー症候群とかなんとかいうのになっちゃうかもなあ、なんていう心配も。

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そんな方達には、こちらの広めの部屋もあります。
壁を取っ払ってふた部屋くっつけて。これなら余裕あり。バックパッカーみたいな旅行者にとっては、基本的に宿は寝るだけですから。


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窓からの眺め。ドヤ街です(笑)
夜に酔っ払いの叫び声が聞こえようとも、「山谷」を体験するならもってこいの場所ではないでしょうか。
だいたい「山谷に泊まりたい」という旅行客は、フツーの旅行はし尽くして飽きちゃった人が多いと思うんです。かなりのものを見聞きしてきて、宿も高級から安宿まで泊まり歩き、なんか面白いところないかなあ?なんて探している旅行客。。。。そういう旅人にオススメです。


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アーティストによる展覧会なんかも催しているみたいなので、宿泊だけでなくスペースをレンタルするのもいい。
アーティストが一部屋ずつ借りあって、展示するもよし、販売するもよし、コーヒー淹れてカフェにするのもよし、そんなスペースとして使ってもらいたい。
夏休みに友達家族らと子連れで泊まる。。。。東京都内でこんなに安くキャンプ感覚で泊まれる場所はないですぞ。
ちょっと歩けば浅草です。是非是非。


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私が気に入ったのは屋上。
スカイツリーがよく見える。
屋上で酒を飲むのもよし、日向ぼっこしながら読書するのもよし。考え事をするのもよし。創作に使うのもよし。
子連れ山谷キャンプで屋上で花火するのもよし。夏は気持ちいいですぞ。

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洗濯機もあるので洗濯物乾かせます。
世界中をバックパッカーで旅してた頃、いろんな国のいろんな宿のこんな屋上で寝泊まりしたことも結構あったので懐かしい。
この屋上で数日読書三昧したいです、私。近くにおいしい定食屋さんんも結構ありますし。


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三三ハウスさんを後にし、裏浅草へ。

次回へ続きます。

料理ブログ「アメリカ・多国籍食堂」もどうぞよろしく♪



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