新宿百人町

Posted by ジャンヌ(Mami Takayama) on 03.2018 東京散策
hyakunincho1.jpg


新宿百人町。
今やエスニックタウンで知られる大久保新大久保も百人町でありますが、オフィス街もありたくさんの専門学校もあり、かつての楽器店街の名残もあり、多面な顔を持っている百人町。


hyakunincho4.jpg

ランチタイムともなると、オフィス街からやってくるスーツのサラリーマンや、専門学校から溢れ出てくる国際色豊かな学生たちがカレー屋の前などに並び、それはそれは他の街に無い活気がある。


hyakunincho2.jpg

専門学校生は、インド人、アラブ人、中国人、韓国人、フィリピン人。。。。と多種多様。
色んな言語が混じり合う百人町の路地。
移民の国アメリカではこういう状態が都市の日常なので、この大久保界隈の百人町が一番アメリカに近いと思う。


hyakunincho10.jpg


皆若い。18歳から20歳くらいでしょうか。
専門学校に籍を置いているのは滞在ビザの建前で、ほとんどが近くの店で働いているのだけれど。このハングリー精神。
実際に貧しいのではあろうが、若き肉体からほとばしるエネルギーというのは、非常に健全でパワフルで、圧倒される。
絶対に生き残ってやろう、という逞しさ。生きるためならなんでもするぞという覚悟。この海外からのエネルギーが、ここ界隈の魅力となっている。


hyakunincho13.jpg


hyakunincho8.jpg


hyakunincho30.jpg

曇天に一瞬日が差す。
見上げれば、性病科。血液検査。婦人科の看板。素敵すぎ(笑)


hyakunincho5.jpg


hyakunincho6.jpg

百人町の向こうに見える西新宿の高層ビル群。
ここと向こうの間には川は流れていないけれど、向こう岸のような別世界。

百人町の歴史はとても面白く、昭和の時代からここまで変化を遂げた街は東京でも珍しいであろう。
戦後は、日雇い労働者や在日朝鮮人がガード下に不法占拠して住み着くようなバラック街。
それから楽器店が増え始め、音楽関係者の街になる。
50年代には朝鮮人が多く流入し、現在のコリアンタウンの原型ができる。
それに続く高度成長期は、百人町は台東区の山谷と肩を並べる寄せ場となった。


hyakunincho7.jpg


60年代には、もともと音楽と関係があった街だけに、ジャズ喫茶やライブハウスが増えて行く。だが、新宿や渋谷の勢いに負け、音楽の街は衰退。
70年代になると、韓国からニューカマーが増え、コリアンタウンは成長。東南アジアからの出稼ぎジャパゆきさんやイラン人の出稼ぎも増加。
そして現在、言わずと知れた日本最大のコリアンタウンに成長。


hyakunincho11.jpg

遠くに見える西新宿と百人町の構図は、ニューヨークにおけるマンハッタンと70年代までのブルックリンを彷彿させる。
すぐ近くに見えるビジネス街の摩天楼は、こちら側(百人町)では別世界。近くても足を延ばせない場所であり、縁のない街。
ブルックリンも百人町も、貧しい移民が肩寄せ合って生きてきた。その移民パワーというのは、実は向こう側(マンハッタンや西新宿)には無いパワーであり、まさに労働のパワー。血や汗が実際に見える、肉体のパワー。肉体がぶつかり合う生々しいパワー。


hyakukninchoapartment1.jpg

大久保駅近くにある、百人町区営アパート。
1964年のオリンピックの時代。新宿区は、この地域にはびこる不衛生なバラック街の一掃計画として、この区営アパートを作った。
ここに住まわされたのは、主に在日コリアンたち。


hyakuninchoapartment2.jpg

今では半分以上が空き家となっている感じではあるが、まだ現役のアパート。
1階が「作業所」で、2階が住居となっている。

家賃は今でも、一月1万円もしないとか。この地において、破格の値段。だから住民も出てはいかない。


hyakuninchoapartment5.jpg


アメリカも、低所得者層用の公営団地(プロジェクト)を50年〜60年代に大量に作った。公民権さながらの時代だから、当然入居者は人種が偏り、黒人のすみかとなる。
家賃の低さを含め過剰な生活保護は労働意欲をも停滞させ、何世代にも渡りプロジェクトから出て行けない住民がほとんどで、結局は貧困のスパイラル、人種差別の根源を生み出す。


hyakuninchoapartment4.jpg

行政が行うにわか処理は、必ずやどこかで歪みがくる。
何十年どころか、何百年経ってもはびこる問題となる。


hyakuninchoapartment3.jpg

2年後に再び東京五輪を迎えるこの街。いかがなるものか。 
歪みを生まない五輪というのは未だかつて存在したことはない。そんなことは、東京五輪を経験した昔からの都民は皆知っているはず。。。。と言ってももう遅いので、見守るしかありません。


hyakunincho12.jpg

百人町。色々考えさせてくれる街であります。
考えさせてくれる物や人は大好きなので、百人町も大好きです。


料理ブログ「アメリカ・多国籍食堂」もどうぞよろしく♪



『黒人コミュニティ、「被差別と憎悪と依存」の現在』高山マミ著
Amazon
ビーケーワン
丸善&ジュンク堂
楽天ブックス
セブンネットショッピング



『ブラック・カルチャー観察日記』高山マミ著 
全国の書店で好評発売中!!
Amazon


スポンサーサイト